<今日の一枚と一句>「その63(2026.08.20~09.02)」

【 灯台に 白波寄せて 秋晴るる 】(とうだいに しらなみよせて あきはるる)

 金沢市大野町に「大野灯台」が建設されたのは北前船が頻繁に行き交う頃で、大野川の河口に位置する港として大いに栄えました。

 この地に灯台となるものとして設置されたのは、明治11年(1878)ここに住む船乗りが木柱を建て、先端に灯火掲げたことが始まりだとか。

 現在のものは昭和26年(1951)4月に建て替えられ、今に至ります。

 なお、四角い形の灯台は全国的にも珍しく、「日本の灯台50選」にも選ばれています。


※1「大野灯台」: 水面から灯火までは34.3m、光の届く距離約30キロメートル
※2「秋晴るる」: 秋のすっきりとした晴天



《2026.08.19撮影・08.20投稿》




【 城屋根の 上舞う鳶や 秋の空 】(しろやねの うえまうとびや あきのそら)

   金沢城の「二の丸御殿」再建に向けて工事が進められています。

 午前中は能登を中心としたエリアに強い雨が降りましたか、午後からはとてもよく晴れました。

  金沢城内に飛来する鳥の種類は多く、ワシ、鳶、鷺など、大きなものから、小鳥に分類される小さなものまで・・・。

 雨が上った城内、スッキリとした空気感を期待しましたが、まだまだ蒸し暑いまま気温のみ上昇して・・・。

 空を見上げると鳶が数羽気持ち良さそう円を描いて飛んでいます。 のどかな午後のひと時を楽しんだ次第です。


※ 「二の丸御殿の再建」: 先に投稿の文参照


《2026.08.21撮影・投稿》





【 鉄砲の 狭間吹く風に 愁思かな 】(てっぽうの さまふくかぜに しゅうしかな)

  金沢城の「鶴の丸休憩館」前には、「鉄砲狭間」を開設する建物の一部模型が展示してあります。

 その詳細な仕組みを間近に見ると、幾重にも塗られた壁や、その構造・造り方などとても興味深く知ることが出来ます。

 その狭間から外の風景を覗き込むと、かなりの長さがあって驚きますが、当時は「火縄銃」であって、この長さが必要だったのかと気づきます。

 外壁には金沢城独特の漆喰壁「海鼠壁」でとても綺麗に覆われていました。

  


※1「鶴の丸休憩館」: 先に投稿の文参照
※2「鉄砲狭間」: 先に投稿の文参照
※3「海鼠壁: 「なまこかべ」先の投稿文参照



《2026.08.22撮影・投稿》





【蝉時雨 極楽橋に ひと語り 】(せみしぐれ ごくらくばしに ひとかたり)

 「熱中症警戒アラート」が発せられるほどの暑さが連日続いています。

 金沢城内も吹く風はほぼ無くて、おまけに湿気がとても多かった感じの一日でした。

 「三十間長屋」に向かう橋は「極楽橋」と名付けられていて、当時仏教普及などのためのエリアだった名残(「金沢御堂」が建てられていた)の名前だとか。

 江戸時代当時からの名が今に残っています。

 この時期は「ミンミンゼミ」の大合唱となりますが、今日は市内各所で「アカペラタウン」が開催されており、近くの「四高記念広場」辺りから大きな音が聞こえてきました。

 それに負けず劣らず「蝉時雨」が大きくて、「お念仏」の一語りにも聞こえてきました・・・。 



※1「三十間長屋」: 先に投稿の文参照
※2「四高記念広場」: 先に投稿の文参照


《2026.08.23撮影・投稿》




 

【金琵琶や 暮を待たずに 鳴きにけり 】(きんびわや くれをまたずに なきにけり)

 今日は35度を超えた金沢、早くも明日の「熱中症警戒アラート」の知らせが届きました。

 西の空にそろそろ陽が沈み始めた頃、もう「金琵琶=マツムシ」が鳴き始めました。

 少し涼しくなるまで待てなかったのか?、それとも何か・・・・。

 ここ数日は夜半を過ぎてもなかなか気温が下がらず、「熱帯夜」が続いている中、北陸地方にも一雨降って欲しいところです。



※1「金琵琶」: 草むらで「チンチロリン」と鳴く虫=マツムシ」
※2「暮を待たずに」: 陽が沈むのを待っていない」様



《2026.08.24撮影・投稿》






【 月光に 白さ冴えたる 加賀の城 】(げっこうに しろささえたる かがのしろ)

  金沢城石川門の内側から東方向に目をやると、月が青白く光っています。

 ライトアップの光源のせいかもしれませんが、コントラストが面白かったので「パチリ!ました。

 これから本格的な秋に向かって、いくつもの月を眺める機会が増え、カメラに収める枚数も多くなります。

 今まで月、星空・夜空の撮影を幾度も試みてはいますが、満足のいくものは数少ない・・・。

 一眼レフカメラやスマホの撮影取説をよく読んで理解しているつもり?でも失敗作の数々・・・。

 今年こそはと思っていますが、果たして・・・。

 それにしても「金沢城の白い漆喰壁の色」とても綺麗でした。 


※1「加賀の城」: ここでは「金沢城」のこと
※2「漆喰壁」: 「海鼠壁=なまこかべ」のこと



《2026.08.22撮影・08.25投稿》




 

【 提灯の 揺れに踊りの 始まれり 】(ちょうちんの ゆれにおどりの はじまれり)

 恒例の「金沢おどり」第23は、9月19日~20日、「石川県立音楽堂邦楽ホール」で開催されます。

 市内三茶屋街の芸妓衆が一堂に集まる舞台で、伝統文化を守り芸を高めようとする芸妓の気概に触れることの出来る貴重な場として毎年秋に行われています。

 今回は「旅」をテーマとして四季折々の石川の各所を旅情たっぷりに描いた舞踏絵巻が繰り広げられることでしょうね。

 茶屋街各所の軒先には「金沢おどり」と書かれた提灯が、そよ吹く風に揺れていました。



※1「三茶屋街」: 先に投稿の文参照
※2 「芸妓」: 「げいぎ=芸子」


《2026.08.26撮影・投稿》




【 茜空 侘びし気配の 秋の夕 】(あかねぞら わびしけはいの あきのゆう)

 昨日は「大雨特別警報レベル5」が発令された石川県、河川の氾濫や土砂災害のニュースが次々と届きました。

「警報レベル」が「3」となった夕方には暫し雨が止み、西の空には真っ赤に染まった夕暮風景と虹が現れました。

 床上床下浸水や、土砂崩れの直撃被害に遭った家屋も多く、これから始まるであろう後片付け・・・。

 自然界の気象に係るエネルギー量は一定で、地球上のどこかで降雨量が増えると、他のエリアで干ばつが発生する。などと説く学者さんもいます・・・。

 出来る事ならば、その度合い・頻度をもう少し緩くしてもらえないか・・・と願うばかりです。赤く染まった夕焼けが申し訳なさそうにも見えてきました。


※ 「茜空」: {あかねそら」茜色に赤く染まった 朝焼け・夕焼けのこと(季語としては不成立)


《2026.08.27撮影・08.28投稿》




 

【 鉄砲の 狭間静まりて 秋の入り 】(てっぽうの さましずまりて あきのいり)

 金沢城「石川門」を潜り、城内に入ると柔らかい秋の陽射しが城の外に向けて並んだ「鉄砲狭間」に当たっていました。

 いざ戦いになると、弾薬や火薬を補給保管するために設けられた屋根付きの囲いがあり、平時からいざまさかの時のために備えていた様子が良く理解できます。

 城内を訪れる観光客の動線は、「五十間長屋」が前面に見渡せる方向へと流れて行き、総合案内所近くの風景に注目する人は少なく、今回はこのエリアを深訪してみました。

 この場所が「金沢大学」のキャンパスがあったことを示す石柱や説明板などがある他、兼六園側に向けて設置された沢山の「鉄砲狭間」が並ぶ様子も見ることが出来ました。

 カメラをここから「石川門」方向に向けて撮影を試みたところ、今まで気づかなかったアングル・・・。
 
 新たに発見した次第です。


※1「鉄砲狭間」: 城壁に設けられた「銃眼」「砲門」のこと
※2「五十間長屋」: 先に投稿の文参照


《2026.08.28撮影・08.29投稿》






【 城暮れて 尾花かすかに 揺れにけり 】(しろくれて おばなかすかに ゆれにけり)

 金沢城石川門の西側にはもう尾花(ススキ)と「テッポウユリ」が咲いています。

 八月尽・・早くも季節の移り変わりが感じられます。

 写真に収めようとすると今年の「鉄砲百合」がことのほか小ぶりで、かつ下向き(もともとですが)・・・・撮影のアングルに苦労します。

 よく観察すると利家公の兜、「鯰兜」にもよく似ています。毎年ここで定点撮影していますが、特に今年は本数が少なくて小ぶり、故にさみしく感じました。。


※1「城暮れて」: 金沢城に夕暮が迫る頃の意
※2「尾花」: 芒=ススキのこと


《2026.08.31撮影・投稿》





 

【 門跡に 堀の水澄み 秋早り 】(もんあとに ほりのみずすみ あきひでり)

 金沢城の北西に「裏口門跡」を示す立看板が立てられています。

 城内見学した後、観光客が「近江町市場」方面に向かう際に通る門跡です。

 今日も猛暑日に近い気温となった金沢城内、普段からよく手入された城・石垣だと高評価されている金沢城ですが、「色紙短冊積み石垣」を始め、あちこちの石垣に雑草が茂る状況が目立ってきました。

 年間のメンテナンススケジュールに則った維持管理がなされていると思いますが、今期は例年に比べて良く伸びた雑草が目立つ状況となっています。

 これも連日続いた猛暑と豪雨?のせいなのかもと思ってしまいましたが、果たして・・・・。


※1「門跡」: 「裏口門跡=うらぐちもんあと」のこと
※2「秋早り」: 「あきひでり」残暑が続く立秋後の日照りのこと
※3「色紙短冊積み石垣」: 先に投稿の文参照


《2028.09.01撮影・投稿》






【 秋の雲 鳥獣戯画に 変わりけり 】(あきのくも ちょうじゅうぎがに かわりけり)

 秋の夕暮どき、西の空には帯状の長い雲が出てきました。

 「夜のとばり」がおりる前に沈む夕陽に雲が映えて、動物たちが次々現れ消えてまた新しく生まれ変わって・・・。

 眺めているときりがありません。どんどんと童話の世界に引き込まれていくような・・・。これから少しずつ涼しくなってくるのかなと期待していますが、まだまだ気温の高い「秋の夕暮」の一幕でした。


※1「鳥獣偽果」: 擬人化された動物たちを描いた日本最古の漫画的絵巻
※2「夜のとばり」: 夜の闇が静かにあたりを包み込む様



《2026.09.01撮影・09.02投稿》


2026年9月3日(木)以降「その64」に移ります