<今日の一枚と一句>「その58(2026.05.20~06.05)」

【 涼風や 木の香運びて 緑濃し 】(りょうふうや このかはこびて みどりこし)
金沢城は市内より少し高台に位置しますので、より爽やかな涼風が心地よい季節となりました。城内に至る「石川橋」の上には、国内外の観光客の多くが記念撮影に・・・。
やがて「梅雨」を迎えると、じめじめとした空気感に支配されることになり、暫し我慢の必要な時がやってきます。
加賀藩祖「前田利家公」が金沢城に入城したのは、天正11年(1583)6月14日だったとの記録が残っていますが、その頃の「梅雨」は如何だったのかと少し気になります。
今日は夕方以降に雨の予報が出ていますが、植物にとってはありがたいお湿りとなることでしょう・・・。
今日の「ぶらり散歩」は、1万歩をはるかに超えてしまうほど・・・心地よき一日でした。
※1「涼風」: 暑さの中に吹く心地よい風(季語:夏)
※2「高台」: 海抜は約60m前後
《2026.05.20撮影・投稿》

【 ばんからの 声偲ばるる 五月晴れ 】(ばんからの こえしのばるる さつきばれ)
金沢城内には、1949年(昭和24年)に「国立金沢大学」が開校します。その後1995年(平成7年)に角間キャンパスに移転しますが、当時全世界で城内にある大学がドイツと日本の2校のみだったとか・・・。
昭和の初め頃の学生気質は「バンカラ」・・・当時この辺りを下駄を穿いて闊歩する学生服(バンカラ)の姿が目に浮かんできました。(古い日本映画を視聴したことの影響?)
石柱には「學は以て已むべからず」 荀子」と刻まれています。学問は中途でやめてはいけない。努力すればするほど精錬され優れたものになる・・・と言ったところでしょうか??
古き良き時代の日本の姿・・懐かしむ昭和は遠くなりました。
※1「ばんから」: 身なりや言動があえて粗野で野暮ったい様子(「ハイカラ」の対語??)
※2「荀子」: 中国戦国時代の思想家・儒学者で「ジュンシ」と呼ぶ
《2026.05.20撮影・05.21投稿》


【 黒南風や 文芸の香を 運びたり 】(くろはえや ぶんげいのかを はこびけり)
「金沢文芸館」の2階には「五木寛之文庫」があります。この建物が古風な出で立ちであることもあってか、国の内外から入館される方も多く見かけます。
ここ数日の天気は、いきなりの豪雨だったり、霧雨だったりと・・・・。そろそろ梅雨の気配が漂ってきました。
梅雨入りの頃に吹く風「黒南風~くろはえ」は、ざわざわと吹き、黒い雲を伴います。
幸い、今のところは、雨による被害は確認されていませんが、今年の梅雨、「線状降水帯」なるもののお出ましだけはご勘弁願いたいと祈るばかりです。
「金沢文芸館」は、入館料が100円で、「泉鏡花文学賞」の受賞者や、その選考委員の関連本なども3階に展示され、「艦内解説ボランティア」が常駐しています。
気軽に立ち寄ることの出来る空間であることから、お薦めのスポットのひとつです。
※1「黒南風」: 文中に説明の通り
※2「金沢文芸館」先に投稿の文参照
《2026.05.22撮影・投稿》

【 朝曇り 水鏡澄みて 心晴れ 】(あさぐもり すいきょうすみて こころはれ)
昨晩から今朝の明け方まで降った雨もようやく止みましたが、午前中はは曇りでした。
市内本多町に用事があり訪れた際、急に「鈴木大拙館」を訪ねてみたくなり足を延ばすことに。
ここは世界的に有名な仏教哲学者の館であり、また、設計者が「谷口吉生氏」であることもあってか、訪れる人は圧倒的に外国人の方が多いと感じます。
ちなみに、谷口氏は「ニューヨーク近代美術館」増改築のコンペで採用された方で、国の内外に多くの設計・建築物が残っています。
とても静かな「本多の森」の中、心が洗われます。いずれも金沢市出身の方で、県民市民の自慢のひとつかとも・・・。
※1「朝曇り」: 暑くなる日の朝、「早の朝曇り」とも
※2「水鏡」: 写真にあるのは「水鏡の庭」と称される場所(澄んだ水がかがみのようでもある
《2026.05.23撮影・投稿》
《お願い》
【画像を表示するにはここを「CLICK」してください】

【 苔生せど 庇う若葉の 優しけれ 】(こけむせど かばうわかばの やさしけり)
金沢市本多町にある「北陸放送=MRO」の裏には、苔むした灯籠と清らかな水か流れるお庭がとても素晴らしく、しばらく時間を忘れるほど・・・。
暑い陽射しが照り付ける中、灯籠や周辺には直射日光が届かない位の若葉が茂り、これを守る傘の様にも見えてきて・・・。
自然だけではなく、人の手が加えられて初めて織りなす「美」がそこにありました。水の流れと、護岸用に並べられた石の配置も見事です。
この場所には「高級ホテル」の建築計画もうわさされていますので、お早めに訪ねられてみてはいかがでしょうか・・・。
《2025.05.23撮影・05.24投稿》

【 本多家や 門の影より 夏座敷 】(ほんだけや もんのかげより なつざしき)
本多家の門は、加賀藩の重臣であった本多家の格式を象徴する建築物です。屋根の造りや木材の質、門構えの高さなどに武家屋敷の威厳が表れています。
加賀藩を支えた最上級の藩士が八家あったことことから「加賀八家」と呼ばれ、5万石以上の禄高を誇りました。
当時1万石以上は「大名」と称されましたが、5万石に満たない禄高だったとか・・・。
このような中で、暑い夏を過ごすための仕掛けをあちこちに用い、さぞや豪華な「夏座敷」であったのだろうかと想像の夢が膨らんだ次第です。
「長屋門」は「旧本多家長屋門」として「金沢市指定文化財」に登録されています。この門に至るまでの風景が写真映えすることから、毎年「定点撮影」の場となっています。
※1「本多家」: 文中説明のとおり
※2「夏座敷」: 襖や障子を外して風鈴などの演出によりん「涼しくしつらえた座敷」の意
《2026.05.25撮影・投稿》
《お願い》
【画像を表示するにはここを「CLICK」してください】

【 連池門 殿も涼みに 泉殿 】(れんちもん とのもすずみに いずみどの」
兼六園には合計7か所の出入り口がありますが、一番格調の高い門が「連地門」でした。
明治時代に取り壊されて、今は残っていませんが滝に続く「瓢池」が設けられていて、鯉が泳いでいます。
この門から園内に出入りできるのは、お殿様に限られていたとか?? 暑い夏の時期には、ここを通り「泉殿」で過ごされたのかな?と思って・・・想像してみました。
観光客の入園発券機前には長い行列が出来ている中、この門からの入園は比較的空いているのでお勧めです。
ちょうど空の形がハート型に見えてきましたので「パチリ!!」ました。
※1「連池門」: 先に投稿の文参照
※2「泉殿」: 涼をとるために池や泉のほとり、滝に面して建てた離れ屋(夏の季語)
《2026.05.26撮影・投稿》

【 水打てば 名もなき花の 息ひとつ 】(みずうてば なもなきはなの いきひとつ)
とても熱い日で、今年初めての「打水」をしました。地面が渇いることもあって撒くたびに小さく「ジュン」と言うような音がします。
傍らに咲く名も知らぬ小さな花や草たちが感謝を表す声の様にも聴こえてきました。
JR金沢駅の「兼六園口」前には、大きな「鉄瓶?やかん?」展示があります。
これは「金沢・まちなか彫刻作品・国際コンペティション2006」で最優秀作品を獲得した、鋳物作家・三枝一将さんによる作品です。
街角に展示の芸術作品」は市中のあちこちで観ることが出来ます。
この写真からは判りませんが、実は「(外された)蓋」も見ることが出来て・・・待ち合わせ場所などの目印にもなっているようです。
この「やかん」を満タンにして「打水」をすれば、駅前も一挙に涼しくなるのではないかな・・・・と。
《2026.05.26撮影・05.27投稿》
《お願い》
【画像を表示するにはここを「CLICK」してください】

【 鼓門 百万石の 祭り旗 】(つづみもん ひゃくまんごくの まつりばた)
「金沢百万石まつり」は75を数え、6月5日(金)~7日(日)まで開催されます。行列のメイン「前田利家公」役は俳優の「大東駿介」さん、「お松の方」役は、女優の菅井友香」さんです。
お二人はNHKの大河ドラマ「豊臣兄弟」に同名役としてご出演されています。
毎年俳優・著名人の方がこの役をこなしており、今年も「JR金沢駅」を出発して市内メイン通り~金沢市役所前~21世紀美術館近く~兼六園脇の道路を通って金沢城に入城します。
準備は整いつつあるとのことで、あとは祭り当日の天候のみが気になるところです。
※「金沢百万石祭り」: 「行列」は午後2時にJR金沢駅前を出発する
《2026.05.26撮影・05.28投稿》

【 えごの花 辰巳の水の 澄み流る 】(えごのはな たつみのみずの すみながる)
金沢市丸の内にある「尾崎神社」の境内に「辰巳用水分流再興碑」を示す石碑が建てられています。
金沢城から大手掘へ流れた水を、近江町方面の防火用水として利用するため、大手町人持組「津田玄蕃=つだげんば」が、新たに大手掘り取水口から博労町を経て通水させ「上近江町、彦三三番町、青草町へ三本の導水路引き分流させた。
この流れは明治時代に入り一時途絶えたが、これの再興を示す記念碑が明治22年(1890年)に建碑された。と、立て看板に記載されていました。
季節は既に夏、「えごの花」どこから流れてきたのか、清らかな水流に、正しく「花を添え」ました。
※1「尾崎神社」」: 先に投稿の文参照
※2「えごの花」: 昔は実を水に浸して「シャボン玉」の原液として利用した
※3「津田玄蕃」: 先に投稿の文参照
《2026.05.28撮影・05.31投稿》

【 浅野川 緩き流れや 夏蓬 】(あさのがわ ゆるきながれや なつよもぎ)
金沢市内を流れる大きな川は「浅野川」と「犀川」ですが、浅野川大橋のたもとに木製の「火の見櫓」が建っています。
江戸時代からあったとされる「櫓」を再建した建物ですが、対岸には鉄骨製の「火の見櫓」も設置されていて見ることが出来ます。
(観光客目線で言えば「木製」が映えます。)
ここで記念撮影の後、対岸の河川敷を散歩すると「夏蓬=なつよもぎ」が群生していて、初夏を感じます。
気温が高く「真夏日」となった金沢市内、蒸し暑さは感じませんでしたが、なぜかしら「水辺」が恋しくなった次第です。
※1「浅野川」: 先に投稿の文参照
※2「夏蓬」: 伸び長けた蓬(夏の季語)
《2026.05.31撮影・06.01投稿》

【 風通ふ 大手の松や 初夏の段 】(かぜかよう おおてのまつや しょかのだん)
金沢城の大手門跡には「初夏の段」と書かれた立て看板にイベント内容が記されています。
「金沢城・兼六園ライトアップ四季物語」(入園無料)となっており、この日は「第75回金沢百万石まつり」の大行列の後、「(市民参加型の)踊り流し」が市内中心部で繰り広げられます。
祭りに関連するイベント全てを観覧又は参加しようとすると、分刻みのタイムスケジュール(管理)が必要になるかと・・・。
入梅前の爽やかな青空と、優しく吹き渡る風を城門前の松が教えてくれました。
※1「風通ふ」: 「かぜかよう」風が行き来する、風邪が通り抜けるの意(古語)
※2「大手の松や」: 金沢城の正門(大手門)に植林の松の木の意
※3「初夏の段」: {四季物語」のひとつ(季語:夏)
《2026.06.01撮影・06.02投稿》
《お願い》
【画像を表示するにはここを「CLICK」してください】

【 空の青 堀に映して 若楓 】(そらのあお ほりにうつして わかかえで)
金沢城の「大手掘」は、風が全く吹いてていなかったことから、水面には小さな「さざ波」すら立つことはもく、まるで鏡の様に晴天の空を映していました。
まこと爽やかな時間を過ごすことが出来そうで、暫し堀の中の「鯉」を眺めていましたが・・・。
日陰は涼しく感じるものの、陽の辺り具合によってはベンチまでもが暑く感じられる昼のひと時でした。
堀の護岸のために植えられたとおぼしき木々も、樹齢が増すごとに水面近くまで垂れ下がってきています。
水中にいる魚たちには格好の「お休み処」となっているのかも知れませんね・・・。
夕方の散歩をお薦めしたいところですが、細かい虫たちが騒ぎ始める時間帯もあって、そのタイミングは一週間ほどずれていくような変化をしている様にも感じます。
※1「大手掘」: 先に投稿の文参照
※2「若楓」: 「わかかえで」の若葉、青々として気持ちが良い
《2026.06.03撮影・投稿》
《お願い》
【画像を表示するにはここを「CLICK」してください】

【 万緑や 社狛犬 目の和み 】(ばんりょくや やしろこまいぬ めのなごみ)
太平洋側では「台風」の影響被害が報じられています。日本海側では雨も風も少なく通り過ぎましたが・・・。
午前中は少し曇っていましたが、昼からは青空となった金沢市内、「尾崎神社」の境内には緑青の屋根と新緑の葉が調和して、狛犬の目までも柔らかく映りました。
この神社の歴史などについては、幾度となく投稿しているので、詳細な説明は省きますが、江戸時代には金沢城内にありました。
明治の陸軍の都合により、現地に移設されました。朱色を基調としたこの神社の参拝者も多くいますが、城から近いこともあって、説明書きを立ち止まって読む観光客の姿も最近多く見かけます。
爽やかな午後からの「ぶらり散歩」でした。
※1「「社狛犬」: 「尾崎神社」の狛犬
※2「尾崎神社」: 先に投稿の文参照
《2026.06.04撮影・投稿》
《お願い》
【画像を表示するにはここを「CLICK」してください】

【 梅雨鯰 百万石の 祭りかな 】(つゆなまず ひゃくまんごくの まつりかな)
「第75回金沢百万石まつり」が今日初日を迎えました。明日はJR金沢駅から金沢城まで市内中心部を「行列」が通ります。
このHPに何度か同種の投稿をしてきましたので、詳細な説明は省略しますが、金沢駅では祭り気分を盛り上げるための展示物やお知らせのボードがあちこちに設置されています。
前田利家公が愛用した兜「鯰=なまず」が描かれたパネルが観光客の皆さまに注目されていました。
明日は祭り関連の写真と一句を投稿したいと思います。
※「梅雨鯰」: 今の時期を示す季語
《2026.06.05撮影・投稿》

2026年6月6日(土)から「その59」に移ります

