<今日の一枚と一句>「その52(2026.02.25~03.10)」

【 古井戸に 子雀集い 悪巧み 】(ふるいどに こすずめつどい わるだくみ)

 金沢市内の「にし茶屋資料館」中庭にある古井戸の付近に子雀達が集まりました。春の陽光の中、「チュンチュン」と賑やかしく騒いでいます。

 先週はまだ雪に覆われていて、餌の捕獲にも苦労したと思いますが、仲間同士の「井戸端会議」ならぬ「悪巧み」と感じてしまうのは、どうしてでしょうか・・・。

 この庭には、他に数本の「灯籠」や「蹲=つくばい」などが巧みに配置され、「百日紅の木」や「ミツマタ」「松」「竹」「シダ類」などが植えられており、日本庭園として外国人観光客からの評判がすこぶる良い場所でもあります。

 「馬酔木=あせび」が薄ピンク色に色付き、のどかな午後のひとときでした。

 なお、この館には「金沢観光ボランティアガイド”まいどさん”」が常駐していて、館内や茶屋街、寺町周辺を同行ガイドをしてもらうことが出来ます。(無料)


※1「子雀」: 春の季語
※2「蹲」: 「茶室」に入る前に実を清めるために設置された背の低い「手水鉢」
※3「馬酔木」: 先に投稿の文参照


《2026.02.24撮影・02.25投稿》





【 加賀の獅子 寝ぼけまなこや 二月尽 】(かがのしし ねぼけまなこや にがつじん)

 2月もあと二日で終わります。暖かくなって境内の雪もすっかり消えたお寺さんの本堂に「加賀獅子」の頭・前掛けなどが飾られていました。

 「加賀獅子」は「金沢市無形民俗文化財」に指定されていますが、遡ること440年余り前に前田利家公が金沢城に入城の際、民衆が獅子舞を演じて祝ったことが由来で、代々の藩主が奨励・盛んになり、現代に至るとのこと。

 お世話をされていた町内会の方々は、獅子本体の「虫干し」などの他、弓・矢・長刀などの「各種点検・メンテナンス」作業の一環で展示しているところだと話された。

 春の暖かく穏やかな陽の光を浴びて、全てのものがやさしく照り輝いている中、静かな本堂を背に、先ほどまで「うたた寝」をしていた獅子が「薄目を開けた(目覚めた)」様にも見えてきて・・・・とてもユーモラスに感じました。


※1「二月尽」: 二月の終わりの日
※2「前掛け」: 「獅子舞」を演舞する人たちが付ける装束の一部


《2026.24撮影・02.26投稿》





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【 町名の 復活しるべ 紅椿 】(ちょうめいの ふっかつしるべ べにつばき)

 金沢市役所の南側(市役所裏)に「柿木畠」という町名を示す石柱が建っています。復活する前の町名は「広坂一丁目」であったこと、平成15年10月1日に旧町名が復活されたことの経緯を示す掲示板が傍らに設置されています。

 石柱に以前刻まれた「旧」の文字が白ペンキで消され、ここが「柿木畠=かきのきばたけ」と言う町の名に復活されたことを知りました。

 ここは人通りの多い所ですが、この標柱は歩道の片隅にひっそりと建っていて、目あまり立ちませんが、「紅椿の一輪」が咲いて「旧町名復活」を知らせてくれたように感じました。

 ちなみに「柿木畠」の町名の由来は、歌人の「柿本人麻呂」に因むとか・・・。

「かきのもとの(柿の下に)ひとまろ(火止まる)」。柿の木は寿命が300~400年にもなり、また、固くて燃えにくい」ことから、火災の際に他への類焼を防ぐ役目もあるとか・・・。

 
※1「紅椿」: 春の季語、花言葉は「控えめな素晴らしさ」「謙虚な美徳」など
※2「旧町名復活」: 金沢市「主計町=かずえまち」が全国での第一号となる


《2026.02.28撮影・投稿》





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【 今日までは 二月の影を 追ひにけり 】(きようまでは にがつのかげを おひにけり)

 今日は2月28日、まさに「二月尽」です。早いもので年が変わってから既に2カ月が過ぎてしまいました。

 お役所的には「年度末」・・年度の締めや新年度(予算)計画などで多忙を極める時期の到来となります。

 ここ「武蔵辻=ムサシガツジ」は、人気観光スポットのひとつ「近江町市場」「レトロ建築」の「地方銀行」、手前側には「デパート」やホテルの建物が立ち並ぶ繁華街です。

 花壇には「葉ボタン」がまだ綺麗に咲いておりますが、明日からは弥生三月・・・。石川知事選、金沢市長選もあることからか、人の動きが激しくなってきました。

 1月は「(い)行く」2月は「(に)逃げる」3月は「(さ)去る」とか・・・あっという間に4月を迎えることになりそうですね。

 2月は他の月に比べて2~3日も少ない月で、まだまだ「名残惜しい」と感じてしまいました・・・」


※1「二月尽」: 二月の終わりの日
※2「(彫刻)像(写真)」: 作品名「浄=きょ」作者:「矩 幸也(かねこうせい)氏」髪を整える女性の姿をモチーフにしたブロンズ像(武蔵辻地下道竣工記念:1977年)


《2026.02.28撮影・投稿》

【 白梅と 白さ競ひて 城の壁 】(はくばいと しろさきそひて しろのかべ)

 金沢城の北西に「玉泉院丸庭園」があります。「兼六園」より古くに作庭された「池泉回遊式庭園」の周囲には、四季折々の花が咲いて訪れる人の目を楽しませてくれます。

 ちょうど「白梅」が咲いていて、これより高い位置に築かれた「三十間長屋」の城壁(海鼠壁)の白さを競い合っているかのように見えて・・・・。

 加賀藩前田家の家紋「剣梅鉢」にも使用されている「梅」、借景としての城壁を含めて金沢城のあちこちで観ることが出来ます。


※1「玉泉院丸庭園」: 先に投稿の文参照
※2「池泉回遊式庭園」: 園内を回遊して観賞する(日本式)庭園のこと
※3「三十間長屋」: 先に投稿の文参照


《2026.03.01撮影・投稿》





【 春の日や 彫刻しばし 眺めけり 】(はるのひや ちょうこくしばし ながめけり)

 金沢市内には、野外のあちこちに沢山のアート作品が展示されていますが、今まで気づかず通り過ぎてしまったものも数多くあります。

 この作品の名は「騎手」(冨長敦也=とみなが あつや氏=金沢美術工芸大学卒)で、金沢市内の中心部に設置されています。

 いつの頃からこの場所(日本基督教団金沢教会前)に設置されていたのか定かではありませんが、何度も何度も通っている道なのに・・・。

 作品に近づいたり離れたりしながら何周もしましたが・・・。少なくとも「人の形」を抽象化しつつ、動きや内面を象徴的に表すことが多い作家さんのようです。

 どこに「(騎手として馬に)乗る者の姿勢や精神性が象徴化されている」のか?・・・などもう一度眺め直しましたが、凡人にはよく理解できていない・・・自分でした。


※「春の日」:のどかで暖かくゆっくりとした一日のこと


《2026.03.02撮影・投稿》






 

【 石垣を 彩る赤や 雛祭り 】(いしがきを いろどるあかや vなまつり)

 今日は3月3日雛祭り・・・あいにく雨の一日となりました。金沢城内の石垣は、この雨で「しっとりとして落ち着いた様子」を醸し出しています。

 「♪・・今日は楽しい雛祭り…♪」と言う歌「うれしいひなまつり」は、童謡作家・作家の「サトウハチロウ」さんの作詞です。(作曲者:河村光陽さん)

 いつの頃までだったか忘れましたが、「お内裏様」が男性で「お雛様」が女性と思い込んでいた時期がありました。

 「内裏(だいり)とは、京都御所の中で天皇がお住いの所を示しますので「内裏雛」は男女のペアを指すこととなり、「お雛様」については「女雛」だけではなく「人形全体を示す」とのこと・・・・。

 「三人官女」や「五人囃子」などの人形が追加されたのは「江戸中期」以降となり、このような形態が現代に繋がったと言われています。

 「ゆっくり散歩」で見かけた情景を<今日の一枚と一句>としました。

※1「石垣」: ここでは金沢城石垣のこと
※2「彩る赤」: 「土橋門石垣跡」に咲く「春椿」(写真)の様


《2026.03.03撮影・投稿》






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【 標柱の 剥げし白字や 水温む 】(ひょうちゆうの はげししらじや みずぬるむ)

 金沢市内の繁華街に「旧町名=旧河原町」を示す標柱が建っていました。剝げ落ちたペンキの白文字がかえって町の歴史や時の流れを感じさせ、とても情緒があります。

 厳しかった夏の後、記録的な降雪量・積雪量に耐え抜いた標柱に「お疲れ様」と言いたくなるような「春の訪れ=水温む」情景があちこちに見られます。

 「標柱」のメンテナンスは、「金沢文化財ボランティア”うめばちの会”」が点検調査と清掃・文字のペンキ入れなどを計画的に実施されているようです。

 この町名は現在「片町1丁目」となりますが、この周辺には町名に「旧大工町」など城下町らしい町名を「標柱」に刻み、今に伝えているようです。

 全国各地に「河原町」と言う名の町名が存在しますが、昔はそのエリアが「河原」だったようで、この場所に人が住むようになった町として町名が由来することが多いようです・・・。


※1「標柱」: 金沢市内各地に「町名・旧町名」や「坂道」「用水」などを含めると220を超える箇所に設置されている
※2「水温む」: 春になって温もり始めた水
※3「金沢文化財ボランティア”うめばちの会”」: 平成21年5月発足し「文化財の保存・継承」等に取組んでいる団体



《2026.03.04撮影・投稿》





【 蕾む枝 今日はここまで 春の川 】(つぼむえだ きょうはここまで はるのかわ)

 金沢市郊外を流れる「高橋川」の川沿いは、土手沿いに咲く桜並木が昔から有名で、その季節には特に訪れる人も多いところです。

 今日の夕方訪ねてみると、少しずつですが、桜木の枝先に小さな蕾が顔をみせてくれていました。「春の川」とは言うものの雪解け水で嵩が増えた様子もなく、緩やかに流れています。

 流れて行く川水も「今日はここまでか・・・」と、土手の桜並木の様子を眺めていたような・・・そんなな気がして「パチリ!!」ました。

 金沢市内には「桜の名所」は沢山ありますが、これからそれぞれの名所の様子をお伝えすることが出来たらいいな~と思った次第です。


※ 「高梁川」: 市内南部から西部にかけて流れる川で、伏見川と合流して日本海に至る



《2026.03.05撮影・投稿》





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【 方除けの 巫女の神楽や 梅まどか 】(ほうよけの みこのかぐらや うめまどか)

 京都・伏見区(中島鳥羽離宮町)に創建されてから1200年の「城南宮」は、「方除(ほうよけ)の大社」と仰がれていて、「お祓い」に訪れる信者も多いお社です。

 2021年の3月5日に詣でた際、「しだれ梅と椿まつり」が開催期間中で神苑内のお庭をゆっくりと見て回りました。

 本宮に戻った時、「巫女神楽」の舞が始まり、先ほど目にした「苔の上の落椿」と「しだれ梅」と巫女さんの舞い、そのすべてが調和した情景が「円(まどか)」という言葉に収まりました。

 きっと今年も多くの参拝者で賑わっていることでしょう・・・。また来年にでも再度参拝したいと考えています。


※1「方除け」: 九星気学に基づき方位による災いを避けること
※2「円=まどか」: (形が)丸いこと、円満、和やかであることの意



《2021.03.05撮影・2026.03.06投稿》





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【 にし茶屋に 山茱萸咲て 春まだき 】(にしちゃやに さんしゅゆさきて はるまだき)

 西茶屋の入り口付近にある小公園に「山茱萸=さんしゅゆ」の小さな黄色い花が咲いています。

 「山茱萸の花」は「春黄金花=はるこがねばな」とも言われ、春の季節に咲く黄色い花で、季語も「春」となりますが、まだ風も冷たくて「花」自身が寒さに震えているかの様に見えました。

 この寒さの中、西茶屋に訪れる観光客はとても多く、特に「外国人観光客」「卒業旅行」「カップル」の多さが目立ったように思いました。

 全国的には、少しずつ春の便りが届いてはおり、金沢もとても暖かい日があったりしましたが、今日の気温と風の冷たさは・・・・まだまだ春は遠いかも~と感じてしまいます。



※1「山茱萸」: 早春に葉に先立って咲く小さく黄色い花
※2「春まだき」: 春にはまだ少し早い時期のことで「朝まだき」からの造語とも言われる


《2026.03.07撮影・投稿》







【 縄重し 早く外せと 馬酔木かな 】(なわおもし はやくはずせと あせびかな)

 金沢市西茶屋資料館の中にはたくさんの木や草花が植えられています。冬の間にいろんな植物が春を迎える準備をしていて、それを確かめたくて時々訪ねます。

 小さい鈴のような花?蕾?をたわわに付けていて、「春の準備ができたよ~」と言っている様に見えます。

 「雪吊り」(縄)が窮屈そうで、「早く外せ」と叫んでいる様にも・・・。この時期に詠む俳句は「季節の境目」となるため、「雪吊り=冬の季語」「馬酔木=春の季語」・・・。

 二つの季語が混ざることを「季重ね」と言いますが、素人の自分としては可能な限り避けたくて「雪吊り」を「縄」と変えて詠みました。

 この句を詠んだのは前日でしたが、今日は明け方から日中にかけて真冬並みの降雪が襲い掛かかりましたが、はて、今日の馬酔木の気持ちは・・・どうでしたでしょうか・・・。


※1「綱重し」: 「雪吊の縄」はゅもう春だから)いらない=重く邪魔)だという意
※2「馬酔木」: 日本国有種で毒を持つ植物で、動物も人も食すると中毒症状を来す



《2026.03.07撮影・03.08投稿》




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【 玉泉に 青き空映え 物目かな 】(ぎょくせんに あおきそらはえ ものめかな)

 金沢城玉泉院丸庭園は、すっかり晴れた青空がとても綺麗です。池泉回遊式の池に写り込んだ青い色が日に日に色濃くなって、春の訪れを告げています。

 時折飛来する鳥たちの鳴き声も、なんとなく嬉しそうで・・・。雪吊り外しは徐々に始まり、兼六園の「唐崎の松」が最後に外されると、北陸に本格的な春が訪れます。

 今週の天気予報では、雪だるまマークがついた日が残ってはいますが、この陽気具合をみると気分はすっかり「春」です。

 早春の撮影スポット探しに忙しくなりますが、「ぶらり散歩」がとても楽しくなる季節でもあります。


※1「玉泉」: 「玉泉院丸庭園」のこと(先に投稿の文参照)
※2「池泉回遊式庭園」: 先に投稿の文参照
※3「物目」: 木の芽草の芽をひっくるめた相称(春の季語)


《2026.03.09撮影・投稿》




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【 鐡の純 石川門に 東風わたる 】(てつのにび いしかわもんに こちわたる)

 午前中は曇り空で少し肌寒く感じましたが、午後からは太陽の出る時間帯もあって、吹く風が「爽やかさ」を運んでくれました。

 「石川門」は宝暦の大火(1759年)で全焼した後、天明8年(1788年)に再建されましたが、その後に発生した震災などにより損傷を受け、度々の修理を経たのち、現在の姿になりました。

 ガイドブックやパンフレット等で見ることが多い「石川門」ですが、実は「搦手門=裏門」となります。

 正門は「大手門」ですが、今はその姿を見ることは出来ません。

 平日にもかかわらず、訪日観光客を含めて多くの入城者がありました。これから「桜」の季節を迎えると、ライトアップにより昼とは異なる情景にも触れることが出来ます。



※1「鐡」: 「鐡=てつ」金属としての鉄そのもの、重厚さ・堅牢さを強く感じさせる語
※2「純」: 「純=にび」金属の“黒みを帯びた”鈍い光”を表す古語
※3「東風」: 春を告げる風の意(雅で古典的な表現)


《2026.03.10撮影・投稿》



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2026年3月11日(水)から「その53」に移ります