<今日の一枚と一句>「その51(2026.02.11~02.24)」

【 名園に 微かな木香や 根開けかな 】(めいえんに かすかなきがや ねあけかな)
兼六園の雪が解け始め、低木の下部には土肌も見えて、立ち上る水気が土と木々の匂いを運び出したように感じます。
とはいえ、春の到来を告げる「兼六園の雪吊りの取外し」作業が始まる3月の中旬までは、まだひと月余りあります。
今冬の雪は例年になく多かったことから、少しずつ溶けていく期間中に、別の顔をみせる園の姿を所々で撮影したいと考えています。
香りと言えば、そろそろ「梅園」も本格的に蕾から開花へと変化する時期なので、楽しみです。
※1「木香」: 「きが=木や木材」の香り
※2「根開け」: 木の根元の雪が丸く溶けること「根開き」とも
※3「梅園」: 兼六園内の一角(南西の方角)にある(先の投稿文参照)
《2026.02.07撮影・02.11投稿》


【 梅の花 互に背向き 咲きにけり 】(うめのはな かたみにせむき さきにけり)
市内長町にある公民館の中庭に梅の花が咲き始めました。淡いピンクの蕾や花を近くで見ようとしますが除雪の雪塊で近づくことも出来ず、スマホカメラの望遠レンズ機能を駆使して撮影しました。
満開になるにはもう少し時間が掛かりそうですが、花や蕾は一定方向を向いているわけではなく、夫々がまるで意思をもっているかのように感じてしまうほど、バラバラですが・・・・自然の成せる芸術・・・とも。
つまり、単に違う方向を向くのではなく、お互いがそれぞれの向きには、こだわりを持って咲く様にも思えてくる・・・・不思議な感覚です。
青空に映える木々の芽吹きがあちらこちらに感じられて、とても魅力的でした。
※1「互」: 「かたみ」は「お互いに=古語」という意
※2「背向き」: 反発して背を向く意味ではなく、「夫々の方向に向く」ことの意
《2026.02.12撮影・投稿》

【 冬枯れに ひときわ赤き おかめかな 】)ふゆがれに ひときわあかき おかめかな)
長町観光駐車場から「老舗記念館」に向かう途中の小公園に、ひときわ赤い植物が目立ちます。
メギ科の常緑低木「オカメナンテン」「オタフクナンテン」「ゴシキナンテン」などと呼ばれる植物で、夏は緑色です。
冬場、周囲の木々や花が枯れてしまった中にあって、赤く紅葉した葉が鮮やかで、とてもよく目立ちます。
「南天」は「難が転じて福と・・・」縁起の良い植物として親しまれていますが、雪を被った姿は「紅白」でもあり「縁起が良い」が更に増すイメージが・・・・。
隣の「雪吊り」が施された「山茶花」は、降雪のせいもあってか、花落ちが目立ってきました・・・。晴れて気温も高くなった市内のあちこち「春」を見付けに出かける散歩がお薦めです。
※1「長町観光駐車場」: 長町二丁目にある優良駐車場(多目的トイレあり)
※2「老舗記念館」: 先に投稿の文参照
《2026.02.12撮影・02.13投稿》
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【 ここそこに 雪間の土の 大あくび 】(ここそこに ゆきまのつちの おおあくび)
今日の金沢市内の最高気温は14.2℃・・・金沢城内に降り積もった雪も、かなり解けて、所々に土肌や枯草が見えてきました。
長く寒い季節・積った雪の下で眠っていた草や土が眠りから覚めて・・・大きなあくびを一つ・・・といった様にも見えてきました。
写真は「金沢城・兼六園管理事務所」(金沢市丸の内1-1)の建物です。公式HPでは関連施設のご利用案内等についても詳しく知ることが出来ます。
また、同管理事務所の建屋内には、公衆トイレや休憩スペースが併設されていて、訪れた際には時々利用させてもらいます。
いや~あちこちに春の訪れを感じて・・・私的にはこの時期独特の木々や草花やにおいなどが時間とともに変化する・・・そんな季節の移り変わりが好きです。
※1「雪間」: 雪が解けて所々に土が現れた状態
※2「金沢城・兼六園管理事務所」: 文中説明のとおり
《2026.02.14撮影・投稿》
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【 西行忌 文芸館の 書に触れて 言の葉紡ぐ 道をゆかまし 】(さいぎょうき ぶんげいかんの しょにふれて ことのはつぐむ みちをゆかまし)
金沢文芸館(金沢市尾張町1丁目)は、橋場町交差点角に位置します。昭和四年に建築された「洋風銀行」の建物で、界隈のランドマークとなっており訪れる人も多いところ。
現在は、金沢の文芸活動の発信基地となるべく開設され、「泉鏡花」「室生犀星」「徳田秋声」(明治の三文豪)をはじめ多くの文学者を排出した地、金沢の「創作活動交流の場」「学びの場」として機能している館です。
「泉鏡花文学賞」受賞作や選考委員作品の展示や「五木寛之文庫」(2F)もあり、読書好きにはたまらない「空間」となっています。
「俳句」や「短歌」「川柳」関連の教室や「小説の書き方教室」などが開設され、関連する図書も多く所蔵されています。
ちなみに、「西行(法師)」は、元永元年(1118年)に生まれ、平安時代末期から金倉時代初期にかけて活躍した「歌人」であり「僧侶」です。
「仏道修行と和歌」に生涯を捧げ、約2300首の和歌を残したとか・・・。(新古今和歌集には最多の94首が入選)
今日は「西行忌」(陰暦2月15日没)にちなみ「短歌」風て失礼しました。
※1「言の葉紡ぐ」: 「言葉を大切に紡いで」の意
※2「道をゆかまし」: 「道を歩んで行きたいものだな~」との意
※3「洋風銀行」: デザイン的には「擬ルネサンス様式」を採り入れた銀行建屋
※4「金沢文芸館」: 文中説明の他先に投稿の文参照
※5「写真」: 「金沢文芸館」と「冬枯れの紫陽花」風景
《2026.02.15撮影・投稿》
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【 春陰や 蟻も二度寝か 石の下 】(しゅんいんや ありもにどねか いしのした)
西茶屋街の北方向から少し入った所に小さな公園(写真)があります。今日の空模様は昨日と大きく変化して、曇りの一日でした。
春の陽射しがしっかり届いていた昨日、大きく「西茶屋 緑松園」と刻まれた庭石の下辺りに「巣」があるのか、蟻達が出たり入ったり忙しそうでしたが、今日は気温が8℃も低くなったからか、蟻の姿は見えません。
様子伺いにも出てこないのは、「天候具合」を確認して「二度寝」と決め込んだか、はたまた、何かの祝日・休日なのか・・・・と考えてしまいました。
月曜日に訪れる観光客は土日に比べて少な目ですが、今日は特に少ないと感じました。この時期は特に体調管理をしっかりしないと・・・。
ちなみに今日は「天気図記念日」とか。明治16年(1883年)の今日、日本で初めて天気図が作られたとのこと。
※1「春陰」: 春の曇りがちの天候(暖かい春とは逆に天候の不順さをも表す)のこと
※2「二度寝」: 一度目覚めた後、間を置かず再び眠ってしまうこと
《2026.02.16撮影・投稿》

【 城櫓 朝光に 春の山 】(しろやぐら あしたひかりに はるのやま)
金沢城新丸広場を見下す高台から東の方向を見ると、「卯辰山」「医王山」などまだ雪を被ってはいるものの「城櫓と春の山々」が良く映えてとても綺麗です。
この山々は、これから数か月間(少しずつ溶けていき)様々な形へと変化する姿をみせてくれます。カメラに収めるには「パノラマ撮影」がベストですが、直接見る感覚を超すことは出来ません。
四百余年前にも、殿さまやその家臣たちは、このような景色を見たのでしょう・・・・ね。
単に感嘆するだけではなく、戦術的防御策や対する徳川幕府対策など、東の山を越えた先(江戸)に対する複雑な思いも多くあったことでしょう・・・・。
※1「朝光」: 「朝(あした(古文の読み)のひかり」の意
※2「春の山」: 春の季節に見せる山(姿)のこと
《2026.02.17撮影・投稿》

【 城の隅 暦を告ぐる 冬桜 】(しろのすみ こよみをつぐる ふゆざくら)
金沢城の北西に位置する高台に一本の「冬桜」が咲いています。この「花の季節」は気象条件にもよりますが、1月下旬頃まで開花します。
今年は例年に比べて大雪となり、気温もかなり低い中にあっての開花・・・まだ蕾も相当残っていて、晴れた日には新たな開花も期待できます。
「冬桜」の季節が終わると、春の訪れ・・・ソメイヨシノに代表される「桜の季節」がやってきます。
今は、寒々とした中に咲き、入城者に季節の移り変わり(暦)を教えてくれている様に感じました。(ひょっとすると、城の歴史も語りたいのかな・・・・とも)
※1「告ぐる」: 「つぐる=古文の読み」「告げる=つげる」と同じ
※2「冬桜」: 山桜の変種で「寒桜」とも
《2026.02.17撮影・02.18投稿》

【 魚の氷に 二の門開き 欣喜かな 】(うおのひに にのもんひらき きんきかな)
この時期になると市立の高校や大学入試の合格者があちこちで発表され、この日を待つ受験生本人はもとより、親や祖父母、親戚縁者の心労は相当のものと・・・・・。
特に大学入試の「一次試験(共通テスト)」の後、「二次試験(各校独自のテスト)」結果まで長い期間の張りつめた空気感は、独特のものがあります。
途中兼六園に向かう道を尋ねてきた親子は、金沢にある私立大学の合格通知をもらって、早速(学生)アパートを探しに来たとのこと、折角なので金沢観光の日としたようです。
急坂を登りきって潜る「河北門」の「一の門」、突き当りを左に折れて「二の門」・・・まるで大学入試の「登竜門」のように・・・・思った次第です。
予想気温は低めですが、陽が当たるととても暖かく厚手の外套を脱ぎたくなります。
※1「魚の氷」: 七十二候のひとつ「魚氷に上る=うおひにのぼる」(2月14日から5日間)暖かくなってきて魚が氷の上に跳ねだしてくる季節の意
※2「欣喜」: 「大きな喜び・嬉しさ」を強調する古風な表現
※2「河北門」: 先に投稿の文参照
《2026.02.19撮影・投稿》
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【 古寺の 木彫りの門や 長閑なり 】(ふるでらの きぼりのもんや のどかなり)
金沢市野町三丁目に在する「光専寺」さんの門前で大きな石柱を見付けました。親鸞聖人ゆかりの寺であることを示す「聖親鸞人御廟所」と刻まれております。
門構えや周囲の松、雪の残り具合が北陸の古寺らしい静謐さが漂っています。今日は朝から青空が見えて、「ぶらり散歩」には最適な一日となりました。
文明年間(1469~87)蓮如上人に従って布教の折りに創建された「真宗大谷派」のお寺で、佐々成正の重鎮「黒川又右衛門」が当寺に入り「僧」となったとのこと。
「野町~寺町」にかけては「金沢三寺院群」と称されるエリアに70余のお寺があります。春の陽射しを浴びながら訪ねてみたいと思っています。
※1「木彫りの門」: 「桐紋」の透かし彫りが施されている門戸の意
※2「長閑」: 「春風駘蕩=しゅんぷうたいとう」春の風が穏やかに吹く長閑な様子の意(季語:春)
※3「佐々成正」: 戦国武将で能登国攻め「末森城の戦い」は今も歴史に残る
《2026.02.20撮影・投稿》


【 河北門 鉄皮光りて 獺祭り 】(かほくもん てっぴひかりて おそまつり)
三連休の初日、とても春らしい天気になりました。金沢城の河北門には「鉄の竪板=竪鉄板=鉄皮」が一定間隔に貼られ強化されています。
春の陽光が当たり黒光りのする門扉は、より強固に見えますが、季節的なこともあってか、光の具合なのか定かではありませんが、少し落ち着いていて、優しく見えます。
この門を復元する際、「脇柱」の礎石が当時のまま発掘されたと記する詳細な説明板が設置されており、「二の門南側の脇柱は、青戸室石製で上面には柱を巻いた金物の鉄サビも残っていました。復元では建物加重と地盤強度を慎重に検討したうえで、この礎石を再利用しました」と書かれています。
ちなみに、2月19日~5日間は「七十二候」のひとつで「獺魚を祭る=かわうそうおをまつる」と言い、「獺の祭り=おそのまつり」「獺祭=おそまつり=だっさい」などと表現します。
これは、「獺が捉えた魚を並べるのを先祖に供えたようだと見立てた」との説明が、ものの本に書かれていました。
※1「河北門」: 先に投稿の文参照
※2「鉄皮」: 本文に説明のとおり
※3「獺祭り」: 春の季語
《2026.02.21撮影・投稿》
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【 鷹と目を 合わせ放つや 匠技 】(たかとめを あわせはなつや たくみわざ)
今日2月22日(日)金沢城公園三の丸広場において「鷹匠による放鷹術(ほうようじゅつ)」の実演がありました。(11時~と14時~の2回)
古来より受け継がれた「伝統文化諏訪流」の術、迫力のある鷹の飛翔と鷹匠の匠な技が織りなすひととき・・・多くの観客を魅了していました。
「鷹匠」になる前段の称号「鷹匠補=たかじょうほ」授与式に引き続き、約30分程の迫力ある実演に拍手喝采!!
これに怖気づいたか?今期初デビューの若鷹が当初予定の演技をボイコットする場面もあって「鷹匠」が解説等に四苦八苦・・・来城された皆さまもご満足された様子でした。
※1「鷹匠」: 約4000年以上前に発祥した「鷹狩り」日本では「仁徳天皇」の時代からあったという「鷹狩り」と「鷹匠」今も自治体などから引っ張りだことか(害鳥対策やイベント)
※2「三の丸広場」: 先に投稿の文参照
※3「鷹」: 冬の季語(鷹狩がこの季節に行われたことによる)
《2026.02.22撮影・投稿》


【 春きざす 一句ひねれば 午後の風 】(はるきざす いっくひねれば ごごのかぜ)
金沢市野町1丁目にある「本長寺」さんは、「金沢三寺院群」のひとつ「寺町寺院群」のエリアに属します。
金沢市内を襲った大火(宝暦12年=1762年)により焼失後、学僧・日艦らにより再建され現在に至ります。
境内の入り口には「狛犬」ならぬ「狛蛙」が設置されており、中に入ると松尾芭蕉公の句が刻まれた碑、「春もやや けしき調ふ 月と梅」が建っていました。
なんだか季語が重なっているようで(自分的には)落ち着かず・・・しばらくすると、自らも一句詠みたくなっての一句・・・・。
昨日の気温20.9℃に比べると(半分以下の)9℃でしたが、陽が当たると体感温度はそれ以上に感じて、「ぶらり散歩」で歩数を稼ぐ汗ばみ、頬を撫ぜる風が心地よく感じた次第です。
※「春兆す」: 「春めく」「春動く」など、この時期の表現に同じ
《2026.02.23撮影・投稿》
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【 灯籠の 囲い外さん 春の風 】((ちゃやがいの かこいはずさん はるのかぜ)
西茶屋街の一角に「雪囲い」を施した灯籠があります。ここ数日は暖かい日が続き、また春一番もかなり前に吹いたとのことです。
雪が消えて久しく、また陽の光が射しこむと灯籠に施した「雪囲い]が暑苦しくも見えてきます。
その傍の桜の大木も少しずつ固蕾が顔を出し始めています。雪囲いが外されるのは、「明日か明後日か」・・・・と言葉が浮かんだものですが、言葉を変えて詠んでみました。
※1「春の風」: 春らしくなった陽気に吹く風の意
※2「固蕾」: かたつぼみ=蕾がまだ固い様
《2026.02.24撮影・投稿》
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2026年2月25日(水)から「その52」に移ります
