<今日の一枚と一句>「その43(2025.10.22~11.04)」

【 柿の実や 甘き鎧の 古木かな 】(かきのみや あまさよろいの こぼくかな)

 富山県との県境周辺まで出向き「秋」を探しながら山歩きを楽しみました。まだまだ早いと思っていましたが、既に柿の実がたわわに実り、(甘さ渋さは別として)とても美味しそうに見えます。

 少し高い位置にあって、人の手でもぎ取ることは出来ないことからか、はたまた渋くて誰も収穫しないのか分かりませんが、とても熟れているようで食指をそそります。

 勝手にもぎ取ることは出来ないので、「カメラで切取り」することにしました。「熊出没注意」と書かれた看板もあり、特に周囲に気を配りながらの撮影でした。

 見るからに「古木」、相当の年数を重ねた柿の木だと思いますが、この間、伐採されずに残ってきたのは「甘い柿」に違いないと思うが・・・果たして」

 切られまいと毎年「甘い実」をならし続けているのは、この木が自らを守るための「鎧」の様な気がして・・・。


※1「県境」: 石川県津幡町と富山県小矢部市の境周辺
※2「渋柿」: そのままでは渋いが、「渋抜き」など工夫して食することができる


《2025.10.22撮影・投稿》






 

【 秋澄むや 噴水音の 静かなり 】(あきすむや ふんすいおとの しずかなり)

 特別名勝兼六園の「噴水」は、兼六園の定期的なメンテナンスで、今月20日~24日までの間、「兼六園の曲水」などを停止するとアナウンスされていましたが、「噴水の上る高さ」こそ3分の1程度でしたが、観ることが出来ました。

 この噴水は文久元年(1861年)に造られた「日本で最古の噴水」で、園内にある「霞ケ池」の水面との高低差を利用した水圧で吹き上がっているとのこと。

 当日は「曲水と噴水」が見られないものと知らされていた観光客は、水が吹き上げている様子を発見し、いつもより多くの人の写真撮影風景が・・・・。

 25日(土)にはまた勢いよく噴き出している姿を観ることが出来ると思います。


※1「秋澄む」: 「秋気」「秋気澄む」など爽やかに澄んだ秋の気配
※2「曲水」: 辰巳用水から園内に入り城内に入る水の流れ



《2025.10.23撮影・登録》



 

 

【 紅葉いづる 腰のにぎりを 忘れたり 】(もみいづる こしのにぎりを わすれたり)

 「秋になると誰もが詩人になる」どこかで目や耳にした言葉ですが、まさに秋本番、山間の木々が色づいてきて、日に日に綺麗さが増してきました。カメラ片手に出かけたくなる季節到来です。

 「紅葉=コウヨウ」を「モミジ」とも表現しますが、「こうよう」は、赤くても黄色くても「紅葉」と書きますが、正しくは「赤色に色づくこと」を言い、「黄色に色づく」ことを「黄葉」(同じくこうよう)と表現(書く)するのが正しいとか・・。

 草木が寒冷にあって色が変化していくことを「もみいづる」又は「もみづる」と表現して俳句や短歌に詠まれてきました。

 先日県境に出かけた際、山道に入ることから、事前にコンビニに立ち寄り買い求めた「おにぎり」があることを忘れてしまうほど眼前に拡がるパノラマにみとれてしまいました・・・・。

 やがて、市街地にも「紅葉」が降りてきます・・・・。毎年のことですが、カメラに収める場所をあれこれ探すことの楽しみが増えてきますね。


※1「紅葉いづる」: 「もみいずる又はもみづる」上記説明のとおり
※2「県境」: 富山県と石川県の境(10.22)


《2025.10.22撮影・10.24投稿》

 

 



【 鶺鴒が 叩く木の葉の 音寒し 】(せきれいが たたくこのはの おとさむし)

 陽の当たる所はまだ暖かく気持ちの良い秋の日の土曜日、金沢城内黒門口から河北門へと向かう途中に「鶺鴒」を見付けました。

 目が合うと(こちらが勝手にそう思ったのですが)長い尾を上下に動かしながら、こちらに向かい近づいてきます。別名「石叩き」「庭叩き」とも称されるとおり、その動きから付けられたのネーミングとか・・・。

 紅葉して落ちた桜の葉が付近に散っていて、時折吹く風に「カサコソ」と音を立てながら移動しますが、「鶺鴒」の尾が落葉に当たった際に出る音も混ざって、異なるリズムが聴こえてきました。

 以前このHPに撮影・投稿した時は、駐車場の霙の吹き溜まりでのものでした・・・。月日が経つのはとてもとても早く感じて、その時のシーンを想い出してしまいました。

 カメラを準備する行動に危険と察したのか、どこかに飛び去りました。

 ちなみに、「兼六園」にはこの鳥の名が付いた島、「鶺鴒島」があります。日本の「国生み」神話に「イザナギノミコト」「イザナミノミコト」への「嫁ぎ教え鳥」として登場します。 ツガイで仲睦まじく行動する様子が「古事記」に登場する鳥(「セキレイ」)となったのでしょうか‥‥ね。


※1「鶺鴒島」:人生の三儀式(「誕生」「結婚」「死」)を表していると言われています
※2「古事記」: 国内向けの書籍で神話的な物語としての性質が強いとか



《2025.10.25撮影・投稿》





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【 友禅と 蛇の目の傘に 秋の雨 】(ゆうぜんと じゃのめのかさに あきのあめ)

 金沢マラソン2025が開催され、雨の中を1万5千人が疾走しました。沢山のボランティアと趣を凝らした応援風景が各所に見られ、このイベントを知らずに金沢に来た観光客の方はとても驚いた様子・・・。

 「ミス加賀友禅」が縦列に並んで和傘をさした艶姿や「応援太鼓」の演奏など、金沢城の外堀り周辺には普段見ることのない一大イベントが展開されていました。

 時に強く降る雨のスタートとなってしまい、参加ランナーの顔色も曇りがち・・・でしたが、各所に設けられた給水所、郷土のスイーツを頬張ってハイタッチ!! たくさんの笑顔がみられました。

 来年10月25日に「金沢マラソン2026」が開催されるとのアナウンスがありました。次回はきっと晴天に恵まれるものと信じています。


※1「加賀友禅」: 武家文化の影響から落ち着いた格式高い柄が多く、金箔や刺繍はほとんど用いられず、「染め」を主体としています。
※2「蛇の目傘」: 開いたときに見える白い輪が蛇の目に見えることからついた名、ここでは「金沢和傘」のことを指す(一般的な和傘より厚手の和紙や強い糸を用いる)



《2025.10.26撮影・投稿》





【 友来る 赤く山査子 実る園 】(ともきたる あかくさんざし 実る園)

 久しぶりに友人と訪ねた兼六園、ひと回りして桂坂口の出口に向かうと「山査子」の実が赤く実っていて、その木の下にも沢山落ちていました。

 直ぐ近くには、「楊貴妃」と命名された桜の木がありますが、こちらの方は、紅葉と落葉の時機到来で、そろそろ冬眠の準備に・・・。

 園内にある草花や樹木、落ちている松笠などを含めて手に取る(収穫する)ことは禁止・マナー違反となりますが、これを知ってか知らずにか集めている観光客の姿が散見されます。

 この「山査子」の実に手を伸ばし、初めは落ちている実を拾っていた外国の女性がいて、その内直接枝から収穫しようとしている場面に出くわしました。

 英語が堪能な友人がこれを注意すると、言葉がわからないという仕草か、これを採って何が悪い…みたいなジェスチャーをしながらスパニッシュ系(そのように聞こえた)の喋り口調でまくし立てます。

 たまたま携帯していた「会話機」で説明すると納得し?笑顔で元の位置に戻しました。
 
 なお、自分で食したことはありませんが、以前食したことのある先輩に聴いたところ、まるで林檎、小さいけれどとても美味しい・・・とのこと。

 ちなみに、この実は「消化促進」同不良に効果がありとかで、「胃酸分泌」による胃の負担軽減と「胃腸」を元気にして「食欲不振」の改善に効果があるとか。


※1「楊貴妃」: 先に投稿の文参照
※2「会話機: 「翻訳機」ではなく直接会話が出来る(74か国語)機械



《2025.10.27撮影・投稿》






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【 よく似たり 富士の山かな 秋の雲 】(よくにたり ふじのやまかな あきのくも)

 今朝遠く西の空(日本海上空辺り)を眺めると、白い雲の間に黒い雲が顔を覗かせるように成長し始めました。

 しばらくすると、黒い雲が山の形のように見え始め、やがて「富士山」のように・・・。思わず近くにあったスマホでカメラ撮影しました。

 上空には強い風が吹いているのか、直ぐに形が変化します。以前には一眼レフカメラを取りに行っている間に別の形に変化してしまいました。

 どのように変化するかある程度の予測は可能ですが、よく似た動物の形だったり、架空の物体だったりと想像している瞬間にもシャッターチャンスを逃してしまいます。

 大好きな「富士山」本物を観たくなりました。来年の春先の旅行計画にします。


《2025.10.28撮影・投稿》





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【 生け花に 雁寒も 暖かき 】(いけばなに かりがねさむも あたたかき)

 金沢城石川門休憩所の片隅には、季節を彩る生け花が置かれています。どこのどなたのご提供なのかと、以前から気になっていたところです。

 「花の種類」や「生け方」もさることながら、その都度変わる「花器」にも相当の奥深さを感じ、いつも驚かされています。

 今日の花の種類は「リンドウ」「カーネーション」「糸菊」「スプレーマム」「朝鮮マキ」「雪柳」「ハラン」の七種・・・。

 観光客がしばし休憩し「ホッと」出来る場所の隅に、その存在すら目立たせない・・・・・奥ゆかしさを感じさせる「おもてなし」・・・かと。

 ご提供されている団体が「公益財団法人 いしかわ緑のまち基金」と記載されていました。
 まさに、加賀百万石の「おもてなし」・・・・その一端を垣間見た感じがしました。


※1「雁寒」: 雁が渡ってくる頃の寒さのこと。秋の寒さの表し方のひとつ
※2「暖かき」: ※1の時期にも関わらず、秋の花生け(もてなしに心が温まる様子


《2025.10.29撮影・投稿》





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【 鉄砲の 狭間に彩射す 紅葉かな 】(てっぽうの さまにあやさす もみじかな)

 金沢城内の紅葉が見頃となって来ました。「鉄砲」を撃つ場所(穴)を「狭間=さま」と言い、城壁に三角や丸、四角の穴が空けられていて、弓矢や鉄砲により攻撃(防御)する場所が、敵方にも視認される造りになっている城が多い。

 ところが金沢城は、綺麗な「海鼠壁」が連なっていて、そのような場所が見えない・・・。
別の表現には「隠し狭間」とも・・・。

 金沢城は攻められたことがない城で、この「隠し狭間」を使う機会はなかったものと推測します・・・。

 本来は殺戮のために造られた場所、想像するだけで独特の空気感が存在しますが、秋の深まりにつれて色付いてきた紅葉との対比に、少し心が和みます。

 石川門からの城壁、三の丸からの城壁はとても綺麗に整備されており、特に今の時期はその内側に植林の「いろはもみじ」や「桜紅葉=さくらもみじ」が色付いてきており、まさに「彩」・・・。見頃です。


※1「鉄砲狭間」: 本文と以前投稿の文参照
※2「海鼠壁」: {なまこかべ」以前投稿の文参照
※3: 「いろはもみじ」: 日本原産の「落葉広葉樹」で和風庭園でシンボル的な存在感がある



《2025.10.30撮影・投稿》


 

 

【 枯れ落葉 振り向く鯉の 静かなり】(かれおちば ふりむくこいの しずかなり)

 金沢城の大手掘りに、枯れ葉がひらりひらりと落ちています。ここにはたくさんの鯉がいて、歩道を歩く人の足音にも反応するのか、こちらに寄ってきます。

 本来禁止されているが、誰かの「餌やり」に味を覚えたのか、水面から口を出して「パクパク」・・・おねだりをします。

 時折大きな音を出して「水撥ね」をする鯉もいますが、大きなの鯉が跳ねるとその音も大きく、本当にビックリします。

 秋の初め頃は、落ち葉が水面に落ちると、その方向に向けて一斉に泳ぐ場面もありましたが、もう「騙されないぞ」と・・・・。振り向けど誰も動きません。

 「晩秋の頃の大手掘り」に毎年繰り広げられる一幕です。

※1「大手掘り」: 先に投稿の文参照
※2「枯れ落葉」:晩秋から冬にかけて落葉樹が落とす葉のこと


《2025.10.31撮影・投稿》




 

 

【 雨降るや 紅葉かつ散る 寂しけり 】(あめふるや もみじかつちる さみしけり)

 晴天の一日となるかなと思わせる朝の様子でしたが、強い雨となって、雷も鳴る肌寒い一日となった11月の初日、ひがし茶屋街を訪れる多くの観光客、色とりどりの傘の花が咲きました。

 浅野川大橋からほど近い「東山河岸緑地公園」にある「イロハモミジ」などが、色鮮やかに秋の季節を演出してくれています。

 大きな雨の後には、相当数の落ち葉の散乱する風景が出現し、冷たい雨とともに少し寂しさを感ずる神無月初日となりました。



※1「イロハモミジ」: 先に投稿の文参照
※2「紅葉かつ散る」: 紅葉しながら、一方では早くも散っていくことの意


《2025.11.01撮影・11.02投稿》







【 城庭に 人の流れや 秋の段 】(しろにわに ひとのながれや あきのだん)

 昨日に続き雨風が強い一日となった金沢城の入り口に「四季物語・金沢城・兼六園ライトアップ」を知らせる看板が設置されています。

 11月1日(土)と2日(日)はあいにくの雨模様となりましたが、訪れた観光客が立ち止まってその内容を確認していました。

 ここ「黒門口」は観光スポットの一つ「近江町市場」から最寄りの登城門となり、多くの人が行き交っていました。

 外国からの観光客がとても多い印象でしたが、中には「半袖シャツ」に「ハーフパンツ」姿の方も・・・・。

 寒くないのかと質問したところ、お国が「フィンランド」の方で、真夏の7月でも最高気温が21℃前後、最低気温が12℃~15℃なので、この程度の気温ではこのスタイルでも快適だとのこと。驚きです。

 兼六園では「雪吊り」が始まり、夕方からの「兼六園のライトアップ」が楽しみだとのことでしたが、まだしばらくは悪天予報が出ております。晴れてほしいと願うばかりです・・。


※1「城庭」: 「城=金沢城」「庭=兼六園」の意
※2「黒門口」: 先に投稿の文参照


《2025.11.02撮影・投稿》

 

【 文化の日 誉れ叙勲に 朝の虹 】(ぶんかのひ ほまれじょくんに あさのにじ)

  今日は文化の日、「秋の叙勲受章者の功績」を讃えた新聞記事掲載がありました。空を見上げると「朝虹」が北西方向にかかり始めていて、淡い色で写真撮影するも期待した色彩として捉えることが出来ませんでした・・・。

 この三連休を利用して金沢を訪れた観光客の数は多かったですが、天候には恵まれず、少し残念な旅行となってしまいました。
 申し訳なく思った天空の思いやりか、久しぶりに虹が出て・・・・。

 少しずつ少しずつ秋が深まってきましたね。叙勲された皆さまおめでとうございます。


※1「誉れ」: 人から褒められて光栄に思うことの意
※2「叙勲」: 功績顕著な者に対し、勲章が授与されること


《2025.11.03撮影・投稿》




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【 雪吊りや 庭師妙技の 空高き 】(ゆきつりや にわしみょうぎの そらたかき)

兼六園の「唐崎の松」に雪吊が完成した日、長町武家屋敷跡の「野村家」の庭木にも「雪吊り」の作業が施され、その様子を訪れた多くの訪日外国人がカメラに収めていました。

 毎年11月1日から兼六園を始め、市内各所に点在する「お庭」の作業が本格的に始動しました。

 「唐崎の松」から始める作業は、悪天候のため、「低木」から始めるという例年にはないアクシデントもありましたが、北陸の風物詩となっている「雪吊り」が本格的な冬の到来に備えます。

 朝9時頃からの作業は午後2時過ぎには完成し、その間空を見上げる観光客から拍手が送られる場面もあって・・・。「庭師冥利」に尽きますね。


※1「雪吊り」:先に投稿の文参照
※2「唐崎の松」: 先に投稿の文参照


《2025.11.04撮影・11.05投稿》




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2025年11月5日(水)から「その44」に移ります