〈今日の1枚と一句〉「その14(2024.08.19~09.04)」
【 門掛けも やがて建屋に 松落葉 】(もんかけや やがてたてやに まつおちば)
武家屋敷の門の特徴として、松の木が門に掛かるように植樹・剪定します。(門かけ松=門かぶり松など複数の呼称あり)
ここ「大屋家」は、金沢市長町界隈に残る武家屋敷跡の中心に位置し「国の登録有形文化財」です。
映画の撮影にもよく使われることもあってか、日々多くの内外観光客が訪れており、人気の写真スポットとなっています。
松は寒い冬でも緑をたたえる強い姿、長く生き続けることから「めでたさや長寿」縁起が良い木とされていて、武家の門に採用されてきたのかと・・・。
とはいえ、家や人(武士)も松の木も長く続けていくためには、世代交代が必要で、
この夏の時期に新しい松葉に代り古葉が落ちはじめ、門の屋根や建屋、庭が茶色の落ち葉でいっぱいになります。
※1「門掛け」: 門の左右どちらからでも覆いかぶさるような松の植え方
※2「松落ち葉」: 季語は「夏」 ちなみに「敷松葉」は「冬」
《2024.08.19撮影・投稿》
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【 せせらぎや 更待人に 時を告げ 】(せせらぎや ふけまちびとに ときをつげ)
金沢市の中心街「香林坊」の裏通り一帯に流れる用水沿いにある商店街を「せせらぎ通り商店街」(「はばたく商店街30選」(経済産業大臣が選定=平成30年3月)のモニュメントと時計台があり、夏場には一定間隔で吹き上がる噴水を備えています。
陰暦の八月二十日は「更待月=ふけまちづき」で、午後十時を過ぎて昇るので・・更けて待つとか・・。
今日の月は「満月」で明日の夜にかけて月が土星に接近します。今夜は土星の左側、明日は土星の右側に見えますが、陰暦の頃とは異なり、夜の早い時間帯に、月も土星も東の空から昇り、朝方にはにしの空に沈むとのこと。
夕方からの空模様が不安定と予報されていますが、何とか夜の10時頃には天体観測したいものですね。
※1「せせらぎ」: 鞍月用水の流れる商店街の別呼称名「せせらぎ通り商店街」の意
※2「更待人」: 「更待月」を観月する待人 (季語:秋)
※3「顔出パネル」: 「せさミィ」のハートの中から顔出し撮影する板
《2024.08.20撮影・投稿》
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【 稲光り 雷を呼んだか 雲が獅子 】(いなびかり らいをよんだか くもがしし)
昨日の夕方、晴れていた西空に黒い雲が現れ動きも早く、次々と形を変えながら移動しました。
雲の形が一瞬「獅子舞」に似ていて思わず「パチリ!」ました。
この後は久しぶりの「豪雨」に見舞われた金沢市内でした。
昔は「夕立三日」と言われ、同じような時間帯に降る雨、数日続いて降ったような記憶があります。
幸い、深夜には晴れて「満月」と「土星」の近接する天体ショーを観察することが出来ました。
自然の営み・・・何気ない時間に「ボー」っとして空を見上げる余裕時間を持ちたいものです。
※1「稲光」: 「稲妻」、「いなつるび」など呼び名多数あり
※2「獅子」: 読み方は中国から伝来したという説あり(もともと「大きな犬」の呼び名だったとも)
※3「夕立三日」: 「積乱雲=湿った空気が暖められて上昇し降雨」夕立が来ると三日は同じような夕立が来る
《2024.08.20撮影・08.21投稿》
【 八朔や 平士の棟も かいばかな 】(はっさくや へいしのむねも かいばかな)
気温こそ30度を超える日が続いていますが、季節的にはそろそろ秋・・・北國の冬の備えは今から準備を整える季節が到来します。
市内、「武家屋敷跡」にある「高田家跡」には「「厩=うまや」が展示されています。
当時、平士クラスの武士であっても、馬を所有するには一定の石高が必要でした。
ここ、「高田家=550石」では、馬を飼うことが出来る石高の平士でした。
この「厩」には、加賀藩の「組織図」や「平士の役割」を図示する掲示があります。(印刷・刷新された)
当時の「奉行」はどんな役目・役割があったのか、解かり易く解説されています。
ぜひ訪ねてみてください。きっと「新たな発見」があると思います。
※1「八朔」: 9月(陰暦の八月)、収穫を待つ時期の意、馬が冬を越すために必要な「飼い葉」のことも算段するような季節になってきたという時期の意
※2「平士」: 加賀藩では「軍事組織」と「行政組織」の中枢を担う「中級武士」
※3「かいば」: 馬の餌(主に冬季に食する餌を秋の季節に準備する)
《2024.08.22撮影・投稿》
【 友禅の 館はここと 法師蝉 】(ゆうぜんの やかたはここと ほうしぜみ)
暑い日が続く金沢市内、台風10号の今後の進路が気になるところです。
観光客がマップを片手に「加賀友禅長町友禅館」の位置を訪ねられたので、途中まで同行案内のボランティアをすることに・・・。
観光ガイドマップのイラストでは、長町武家屋敷のすぐ近くに在するように描かれていますが、少し距離があるので、迷われた様子。
館が近くなると、「法師蝉=ツクツクボウシ」が鳴いていて、そろそろ無き止む頃だったのか?トーンが変わり、「モウイイヨ」「モウイイヨ」と数回鳴いてピタリと止みました。
まるで「友禅館はここだよ~」と誘導してくれていたような・・・(^^;
ちなみに「友禅」は、加賀友禅、京友禅、江戸友禅があり、京都は「公家文化」、加賀は「武家文化」と言われるように、それぞれに特徴があります。
特に「加賀五彩」と言われる基本色の濃淡を活かした「染め」が特徴で、京友禅のように「染め以外の刺繍などの技法は採用されていないようです。
※1「加賀友禅・長町友禅館」: 「彩色」や「着装」の体験ができる工房あり(長町2丁目)
※2「開・閉館確認」: 事前問合わせされた方が安心かと
※3「法師蝉」: 蝉の一種、「ツクツクホーシ」「オーシンツク」などの呼び名がある
《2024.08.23撮影・投稿》
【 昼寝かな 夜を奏でる 秋の虫 】(ひるねかな よるをかなでる あきのむし)
金沢市内にある「長町武家屋敷跡」は「二の橋」から東側に比べ、西側の人の流れは極端に少なくなります。どちらも同じような長土塀が続くエリアですが・・・・。
撮影した午前中の時間、虫の音は全く聞くことが出来なくて、夜は煩いほどに何曲も演奏し続けた虫たちの演奏会がウソのように静まり返っていました。
今宵の演奏会の下準備か、はたまた体力回復のための就寝時間なのかと・・・。
ちなみに、道路の真ん中にある丸い金属、観光客に質問すると、雪が降るエリアから来られた方は、ほぼ正解を、その他のエリアから来られた方には、なかなか難しい質問のようです。
金沢市内では、いたるところに敷設されている「融雪装置」(降雪時には地下水などを流して雪を解かす装置)です。
※1「秋の虫」: 「キリギリス、コオロギ、スズムシ、クツワムシ・・」など
※2「二の橋」: 「大野庄用水」に架かる橋
《2024.08.24撮影・投稿》
【 空蝉や 連隊跡の 小葉と揺れ 】(うつせみや れんたいあとの こばとゆれ)
金沢城大手門から東方向に向かい白鳥路に至る小さな散歩道に「歩兵第七聯隊跡」と刻まれた塔があります。なかなか近くに寄ることが出来ない奥まった場所に建っています。
この聯隊は「大日本帝国陸軍」の聯隊のひとつで、明治8年(1875)~昭和20年(1945)までの戦争(西南戦争、日清・日露戦争、第一次上海事変~日中~第二次世界大戦で沖縄、台湾と移動、上陸、帰還、移駐などを繰り返し、終戦まで戦った歩兵聯隊(当時金沢城内に設置されていた。)
幾千の若者たちが時代の渦に翻弄され、例え精鋭と言われ、勇猛果敢と称えられたとしても、夫々が人生を犠牲にし、死という悲しい現実があったことは後世に伝えていくことが必要ですね。
そよそよと吹く風・・・「空蝉」がくっ付いた小葉、ゆらゆらと揺れていました。
当時全国に20万人以上いたという「歩兵(陸軍)」、辛い日々と時間を過ごした歴史、戦争は二度と起こしてはならないと「唐蝉」が伝えていたのかも知れませんね・・・。
※1「空蝉」: 「蝉」の抜け殻「うつせみ」
※2「聯隊」: 「連隊」当時連隊数は500近くあったとか
※3「季語」: 「空蝉=晩夏」
《2024.08.25撮影・投稿》
【 穏やかに 人海空や 休暇果つ 】(おだやかに ひとうみそらや きうかはつ)
富山市の富岩運河環水公園(湊入船町)にある喫茶店からの風景・・・。
夏休み期間中は、親子連れや観光客で賑わいのあるスポットですが、八月も残りわずかとなったこの時期の午前中、訪れる人も少なく、海は穏やか、空の雲もすっかり秋の雲の様子・・・。
ちなみに、富山市内小学校の夏休みは今日26日まで。(宿題全て終わったのかな??)
水辺に広がる芝生が綺麗で、空気も澄んでおり、心地よい時間が過ごせると評判のエリアでお茶のひとときを楽しみました。
※1「富岩運河」: 神通川下流の東岸に沿った一帯で、岩瀬港から入船町までをつなぐ運河
※2「喫茶店」: 世界一美しいと言われている喫茶店(2008年ストアデザイン賞最優秀賞受賞)
※3「休暇果つ」: 「夏休みの終わり=夏休みが終わり二学期が始まる頃」「休暇明(あけ)」とも
《2024.08.26撮影・投稿》
【 加賀の宿 古総湯ありて 色鳥来 】(かがのやど こそうゆありて いろどりく)
加賀山代温泉には「総湯・古総湯」(写真)があります。
コロナ禍で入湯客が激減しましたが、その後回復、時宜を捉えた「応援割り」の制度活用などもあって、最近ではなかなか予約がとれないとか・・・。
なお、この「古総湯(こそうゆ)=共同浴場」を中心とした旅館や商店が並ぶ街並みを「湯の曲輪(ゆのがわ)」と呼ぶそうです。
まだまだ暑い日が続いていますが、台風10号が去った後には、秋到来となるのか・・・。
秋の果物は待ち遠しいところですが、雀のような大きさで、色どりの綺麗な鳥たちが近くの神社の森辺りにに出現しており、(総湯・古総湯があるから?)早くも「色鳥」(頭高、猿子??など)が渡来したのかと。
ちなみに、「古総湯」は、明治時代の共同浴場の復元しており、浴室には「カラン」や「シャワー」の設備はなく、掛け湯をして入浴する・・・昔ながらの入浴方法を体験できます。
※1「加賀の宿」: 加賀市「片山津、山代、山中」温泉、小松市「粟津温泉」がある。ここでは山代温泉の意
※2「古総湯」: 「こそうゆ」文中に記載のとおり
※3「色鳥来」: 「いろどりく」=「色の美しい小鳥達もやって来たのかな?」との意
※4「色鳥」: 「花鶏=かとり」「頭高=かしらだか」「猿子=ましこ」「仙入=せんにゅう」など
《2024.08.27撮影・投稿》
【 用水が 集め流して 秋の雲 】(ようすいが あつめながして あきのくも)
今日金沢の空の雲、次々と形を変えながら東の空に素早く流れて行きました。
長町武家屋敷近くを流れる用水・・「大野庄用水」は今日に限ってか、ことのほかゆっくりとした流れで、空に浮かぶ雲達を写していて・・・しかも、今まで観たことのないような奇抜な形の雲が次々と・・・途中飛行機からのジェット気流も現れて。
南北に長い日本列島、台風の進路予想もままならい中、一先ずは安定した天気に恵まれた一日でした。
特に、交通機関のダイヤが不安定な時期に、日本人観光客が旅行を控えたのか??訪れる方たちはは、7割程は外国からの観光客でした。
この未曽有の力を保有すると言われるな台風・・・なんとか被害の無きことを祈るばかりです。
※1「用水」: 金沢市内を流れる「用水」は55本あり、合わせると150Kmにもなるとか
※2「大野庄用水」: 「おおのしょう」1590年頃に造られた用水で、お城に物を運ぶことにも利用された
※3「用水近辺」: 「武家屋敷跡」「野村家」「高田家」など見どころが多い
《2024.8.28撮影・投稿》
【 揉み解し うつらうつらと 秋の午後 】(もみほぐし うつらうつらと あきのごご)
まるで宇宙船の操縦席のようなマッサージチェアー、スイッチを入れると心地よき振動と共に適度なツボ刺激が全身に行き渡って・・・。
タイマーが切れる合図が聴こえ、「うたたね」状態から覚めました。
最近のマッサージ機器類は急速な進化をとげており、使用感も抜群、目を見張るものがあります。
「無重力」「ゆりかご」「スタンダード」「おまかせ」などのコースが選択でき、全て試した次第です。
※1「揉み解し」: マッサージ、あんま、整体・・など
※2「うつら」: 「浅い眠り」又は「眠り掛けている時」の様子
※3「タイマー」: 標準的なコースの時間単位は15分となっていた
《2024.08.26撮影・08.29投稿》
【 蔓延りて 熊蜂守護と 藪枯らし 】(はびこりて くまはちしゅごと やぶからし)
白山麓の低山、朝夕の涼しい時間帯にトレッキングを楽しみたいと、登り口を探してみたが、必ずと言っていいほど、「クマ出没注意」と書かれた「立て札」が建っています。
しかも「早朝と夕暮れ」の時間は特に注意と・・・。
山道の登り口に木製の階段があって、比較的景色の良い場所にたどり着きたくて思案のところ、付近に「アシナガバチ」が数匹屯していて・・・。
傍には「藪枯らし」が群生していることから、蜜を求めてなのか、たまたま見かけた蜂が数匹だったのか、わかりませんが、どちらにしても「危険」であることには間違いないようなので、登ることを諦めました。
ちなみに「藪枯らし」は、「藪の中の草花を枯らしてまでも繁茂する」ことからこの名が付いたとか。
またこの花に群がる虫たちは数多く、「アシナガバチ」もその一種だとのこと。
「藪枯らし」は(野山に限らず市中にも)多く蔓延るので、刈ろうとすると「熊の出現」「アシナガバチ」の襲来に気を付けなければいけないことからも、この草木花にとっては「守護神」のような存在ですかね(^^;
ま、強面達が現れなくなるまでまだまだ時間が掛かりそうですが、安全第一を考えると我慢も必要ですね。
※1「蔓延り」: 「良くないものの勢いが盛んになって広まる」の意
※2「熊」: 「熊=ツキノワグマ」(ヒグマは北海道に、ツキノワグマは本州と四国にいるが九州にはここ50年は生息確認されていない??とか)を指す
※3「蜂」: 「アシナガバチ」、「スズメバチ」に比べると毒性は弱いが、死亡例も報告されている
※4「藪枯らし」: 別名「貧乏葛=びんぼうかずら」とも
※5「季語」: ※4:初秋
《2024.08.30撮影・投稿》
【 大荒れも 秋潮照らし 室戸かな 】(おおあれも あきしおてらし むろとかな)
数年前の9月初めに訪れた高知県の「室戸埼(岬)灯台」、この日も台風の影響で海は大荒れ、灯台へのアクセス路が崩れていて、かなり遠回りしてたどり着いた記憶があります。
今回の台風10号は、瀬戸内海側を通るコースで、高知県への直撃は免れたものの、この季節、四国を通り本土に上陸する恐れのある台風や異常気象の中、日々航行する船の安全を守るため照らし続けていて、なくてはならない灯台のひとつです。
過去「室戸台風(1934年、昭和9年)、第二室戸台風(1961年、昭和36年)」などと呼称され、数千人の犠牲者、損壊家屋10万弱、浸水家屋40万超えの被害が出るなど、非常に大きな災害が発生した台風もありました。
室戸岬灯台の名を刻んだ表札も相当古く歴史を感ずる書体で、設置壁にはかなりの経年劣化が見られます。
ちなみに、今回の台風、「統計史上最強クラス」で、「940hpa(ヘクトパスカル)」前後の強さが話題になっていますが、前述の「室戸台風」は、上陸時には「911hpa」で、観測史上最も低いとされている。
この台風を契機として「気象台による気象特報=(現在の)気象注意報」の発表が開始されたとか。
※1「秋潮」: 干満の激しい秋の潮=秋の季語
※2「室戸」: (ここでは)室戸岬灯台のこと
※3「室戸埼灯台」: 室戸岬灯台の「岬」の漢字が「埼」となっている
《数年前の同時期に撮影・2024.08.31投稿》
【 畏みて 御前霊山 颶風かな 】(かしこみて ごぜんれいざん ぐふうかな)
各地に大きな爪痕を残した台風10号、まだまだ安心はできないものの、ようやく熱帯低気圧に変わりました。
午前中までの予報円では、東海沖から北東に進み、石川県と富山県に近づくように図示されていましたが、強風圏もなくなって、風害については一先ず安心?かと・・・。
石川県民は、「台風が来ても白山が守ってくれる」と言い、富山県民は「・・・立山が守ってくれる」と言いますが・・・・(日本三霊山=白山、立山、富士山)。
今日の白山は、次々と湧いてくる雲に覆われて、少しご機嫌が悪そうな気がしました。
暴れ迷走した台風も、ここに来て、霊山を通らせていただく前には、畏みおとなしくなったのかな?とも・・・。
この後、心配される降雨による被害も少なく通り過ぎてほしいものですね。
※1「御前霊山」: 「御前」は白山連峰の「御前峰(ごぜんがみね) 2702m」、「霊山」は、文中に記載のほか、「信仰の対象となる神聖な山」の意
※2「颶風」: ぐふう=江戸時代の台風呼称、平安時代は「野分(のわき、又はのわけ)」と呼んだ
※3「畏みて」: 「恐れ多くて」「かしこまり(る)」の意
《2024.09.01撮影・09.01投稿》
【 榧の実が ポツリと一つ 残りけり 】(かやのみが ぽつりとひとつ のこりけり)
金沢市内の町名を復活させようとする試みが続き、「旧町名復活」が全国で初めて認められた「主計町」は有名ですが、藩政期に存した町名、復活してほしいと思うものが数多くあります。
市内に旧町名とその名がついた歴史・由来を刻んだ石柱が所々にあります。
「殿町」の名も将来にわたり長く続いてほしい町名の一つです。
この石柱は、「旧殿町」と書かれています。由緒書きによると「もとは十間町の地内にあり、藩政期には、その中の武家地を殿町と呼んだことからこの名が付いた」となっています。
どこから転がってきたのか石柱の傍に「榧の実」が、ひとつポツリと・・・。
※1「榧の実」: 楕円形の殻の中に両端が尖った実が入っている(昔は食用や採油としてつかわれた)
※2「季語」: 秋(榧の実)
※3「旧町名復活」: 近年は「金石地区」が多く復活している
《2024.09.02撮影・投稿》
【 龍二頭 城を守るや 葛かずら 】(りゅうにとう しろをまもるや くずかずら)
利家とまつを祀る尾山神社の東神門(ひがししんもん)、東参道の門に二頭の竜が彫られています。
宝暦の大火(1760年)で金沢城の大半が焼失したが、東神門は火災から逃れたことから、二頭の竜が水を呼び類焼を逃れたと言い伝えられています。
作者不詳の彫刻ですが、金沢城初期の貴重な木造建築物として、訪れる観光客も多いスポットの一つです。
ここを通るとき、夕陽が鼠多門に反射して、一瞬「東神門」が輝き、竜がこちらに微笑みを見せてくれた気がして・・・・そんな瞬間を捉えて「パチリ!」ました。
この「東参道」もそろそろ落ち葉の季節・・・葛の花や葉に覆われる時も近いのかとも・・・。
※1「龍二頭」: 文中記載の彫刻された二頭の龍
※2「葛かずら」: 鮮やかな紅紫色の花が咲く
《2024.09.03撮影・投稿》
【 刈り草の 香り運ぶや 素風かな 】(かりくさの かおりはこぶや そふうかな)
福井県あわら市の海岸沿いに多くの風力発電(再生可能エネルギー)装置が設置されています。
台風の前には、夏らしい磯の香が運ばれてきていた丘陵地、今回訪れた9月4日は秋空の下、青々としていた草が刈り取られ、「刈り草」が放つ独特の匂い(香り)が秋風に運ばれてきました。
この丘陵地には、地域特産の西瓜や梨などの果樹園や野菜栽培を営む農家さんが沢山いましたが、少子高齢化と跡継ぎの関係から、既に取りやめた方も多いとのこと。
※1「素風」: 「そふう」は秋の風のこと
※2「季語」: 秋
※3「刈り草」: 芝草の育成地もあるが、ここでは整地維持のための草刈り跡の意
《2024.09.04撮影・投稿》
9月5日(木)から「その15」に移ります