<今日の一枚と一句>「その34(2025.06.11~)」

【 梅雨空に 戌や亀やと 苔生せり 】(つゆぞらに いぬやかめやと こけむせり)

 「越前大野城」(福井県指定文化財)に行ってきました。あいにくの梅雨独特の細かい雨が降る一日でしたが、同城を案内するガイドさんの説明に耳を傾け、「天空の城」として全国的に有名になった城の歴史に思いを馳せた時間でした。

 この城は「織田信長公」から大野郡を与えられた「金森長近=かなもりながちか」が天正4年(1576)に、「亀山の山頂」に本丸、ふもとに「二の丸、三の丸」を築いた「平山城」、安永4年(1775)の大火で焼失したが、昭和43年(1968)に再建されたもの・・・・との説明書きがある。

 石垣は「戌山城=いぬやま城」の城石や、この山「亀山」で採石された石垣で、「野面積み=のづらづみ」と呼ばれる工法の積み方を今に残す・・・。

 登城時は、「雲海に浮かぶ幻想的な・・・」とまではいかないものの、丁度雨があがろうとする頃で、他の観光客からは「天空の城みたい」との声で、写真撮影のタイミングとなった次第です。


※1「戌や亀」: 石垣の調達先(犬山城の城石・亀山で採石した石垣石)
※2「天空の城」:深秋~冬~春の浅い時期に見られる雲海の上に天守が浮かび上がったかのように見える様


《2025.06.11撮影・投稿》



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【 朝露を 染めて紫 花菖蒲 】(あさつゆを そめてむらさき はなしょうぶ)

 早朝散歩の途中にある園に咲いていた花菖蒲、明け方に降った雨か朝露か分かりませんが、紫色の小さい水玉となって、ゆっくりと少しずつ花先に溜まり、やがて音もなく下に落ちてゆきます。

 この花は、「花がら」を摘むことで全体の美観を保つとともに、種が出来るのを防ぎます。   種がつくと栄養が取られてしまい、花が咲き続けることができなくなり また、放っておくと病気の発生源ともなるので、こまめに摘む必要があります。(管理が少し大変ですね)

 古来、わが国では「紫」は高貴な色とされてきました。また、「浮世絵」に描かれる女性・美人画にも採り入れられており、大きくて艶やか・・・妖しい雰囲気を醸し出す…そんなイメージもあります。

 昨日は、大野城など登城の山坂と天守に至る階段の上り降り・・・一万歩を超える強行軍でありましたので、少し筋肉痛になり、早めに切り上げた朝の散歩での一幕です。


※1「花がら」: 咲き終わった花が枯れて本体(茎など)に残ったもの
※2「高貴な色(紫)」: 先に投稿の文参照


《2025.06.12撮影・投稿》