<今日の一枚と一句「その31(2025.04.30~)」>

【 鴨帰る 婚姻前の 前撮りか 】(かもかえる こんいんまえの まえどりか)

  今日で四月も終わりました。
  5月か6月(Junebride)に結婚式を迎えるのかな~と思われるカップル、結婚式前の、いわゆる「前撮り」写真撮影をされているカップルが数組いました。この黄金週間での写真撮影は、人出も多く、撮影場所を占拠するのはなかなか難しい場面もあって大変だろうと思いますが、大変なのは写真撮影のスタッフ・関係者達で、当のご両人はとても幸せそう~~終始笑顔(^^)

外国人観光客から、「これは結婚式が終わってからの撮影??」と、勘違いされる場面もありましたが、いずれにしてもハッピーなことで、この儀式は万国共通の「おめでたい」ことであることは間違いないようです。

 久しぶりによく晴れて、春の清々しいそよ風が吹く「兼六園」と「金沢城」を、ぶらぶら散策してきました。
 躑躅が咲き誇る城内で「菱櫓」のお堀に「ツガイの鴨」がいて、互いに見つめ合う?シーンがあり、思わず「パチリ!!」ました。

 この「鴨のカップル」もたくさんのカメラマンに撮影されたことを知ってか否か分かりませんが、この後、二羽の鴨が互いに寄り添いゆっくりとした足取り???で最接近、二羽の並んで浮かぶ姿がとても印象的であり、微笑ましく思いました。末永くお幸せに~。

※1「鴨帰る」: 越冬した鴨は3月~5月にかけて、繁殖地の北に向けて一群れ(一集団)ごとにまとまって飛び立つ(春の季語)
※2「菱櫓」: 先の投稿文参照


《2025.04.30撮影・投稿》




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【 鷺苔や 城石垣と 五月かな 】(さぎこけや しろいしがきと ごがつかな)

 五月の初旬からは「夏(5月5日は立夏)」、緑の美しい季節・・・。カトリックでは「聖母月」と表現されるとか。

 イエスキリストの母、聖母マリアは 英語で{「Our Lady」、またフランス語で「Notre Dame」(大学名にもNotre Dame〇〇とありますが同じ意味を含む??)と呼んでいて、どちらも「私たちの貴婦人」という意味になります。

 金沢城内は、(今朝の地元紙に)「金沢城赤く染め、ツツジが見頃」と、綺麗な風景写真付きで掲載記事がありました。
 一方で、石川門の南側では「鷺苔(サギコケ)」が咲き始めており、石垣を背景としたアングルでの写真撮影にそろそろ似合ってくれると思います。

 まだ白くひ弱な白い花に見えますが、紫色が少し濃くなると、「紫鷺苔=鷺苔の別名」とも呼ばれます。

 春から夏に季節が変わるこの時期に、小さな草花や、6月から7月頃に咲く「桔梗」など、アマチュア写真家は目が離せない季節となりました。


※1「鷺苔」: 唇形の花冠が特徴、日当たりの良い少し湿った所に群生する
※2「城石垣」: ここでは石川門の南側にある石垣の意


《2025.05.01撮影・投稿》


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【 陶器鯉 折り紙兜 節句かな 】(とうきごい おりがみかぶと せっくかな)

 我が家の「端午の節句」、5月になると登場する「陶器製の鯉に乗った童」に「紅白の折り紙製兜」を添えて飾っています。

 陶器製の鯉は、2007年に岐阜県多治見市の「陶器まつり」で買い求めたものです。
 かれこれ18年間、毎年恒例の「端午の節句飾り」となっています。

 昭和の時代、立派な鯉のぼりがあちこちに高く掲げられた風景が懐かしく想い出されます。
 この時期、各地のイベント開催に因んだ映像がTVでも採り上げられます。

 谷合にある小川の両岸を綱でつなぎ泳ぐ鯉のぼり、幾度か目にしたことがありますが、金沢の「浅野川の鯉流し」は、全国でも珍しく実際の川の中に沢山の「鯉のぼり」を入れて、流れの中を泳がせるものです。

 今年は5月4日(日)の10時から15時まで開催されます。とても多くの市民や観光客が訪れることでしょう。良い天気となりますように・・・・。


※1「端午の節句」: 5月の最初の「午」の日を指す。なお、5月5日を「こどもの日」と定めたのは、1948年(昭和23年)に制定された
※2「たじみ陶器まつり」: 既に82回開催されている(今年は4月19日と20日に開催された)


《2025.05.02撮影・投稿》


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【 梅ノ橋 水面に写す 鯉のぼり 】(うめのはし みなもにうつす こいのぼり)

5月4日に行われるイベント、(川の中を泳ぐ)「鯉流し」の前日、その準備は着々と進んでいました。

 浅野川大橋のひとつ上流に架けられた橋「梅ノ橋」下には既にいろんな色・種類の「鯉のぼり」が川風をいっぱい受けて空中を泳いでいました。

 この「梅ノ橋」は木製で独特の趣がある橋、よく映画の撮影で使われるロケーションでもあって、普段から写真撮影のスポットとなっています。

 川の流れは、やや水量が不足しているようにも見えましたが・・・。本番を迎えてどのような泳ぎを見せてくれるのか楽しみになりました。


※1「梅ノ橋」: 先に投稿の文参照
※2「「鯉流し」: 5月2日投稿文参照


《2025.05.03撮影・05.04投稿》




【 ふるさとや 都忘れが 城に咲き 】(ふるさとや みやこわすれが しろにさき)

  五月晴れ・・・とはいかないまでも、薄い雲間がだんだんと青く拡がってきた金沢城三の丸、ここ金沢城公園を訪れる観光客の姿も多く、朝早くから子供の歓声や異国言葉が大きく聴こえてきます。

 朝のTV番組では、インバウンドの拡大にまつわる多くの影響と対策について、専門家が種々の問題点や解決方策などを真剣に議論していました。

 国際的なマナーは、お国によってかなりの違いが見られます。
 観光業界が潤う反面、市民が数々の迷惑・我慢を強いられる・・・日本社会全体が、将来的に外国人観光客を向かい入れるための指針の見直しや、今起きている市民生活への影響・対処方法・効果的対策の実行について急がれるところかと。

 聞きなれた「金沢弁」で会話する家族?とおぼしき小グループが「お城の二の丸御殿を再建するげんて?」、「ほやほや、もう工事始まっとるんよ」、「久しぶりに城にきたけど、人が増えて
~外国人もめっちゃおおいやんね」、「京都はオーバーツーリズムで大変なんやて」、「金沢もなんか考えんと、だちゃかん」、「おいねおいね、そうなんやて」・・・・。

 石川門の南東の城壁側に小さな花が咲き始めていて、まさに「野菊」のような紫の花びらの一輪を咲かせる「都忘れ」、鎌倉時代佐渡に流刑となった順徳天皇」が傷心の慰めにし、また歌を詠んだとの伝えがあるが、「都忘れ」は江戸時代以降の品種・・・もしかすると、よく似た花、別の花であった説もあります・・・。

※1「都忘れ」: 野山に咲いていた花を園芸品種として改良されたもの
※2「流刑」: 承久の乱(1221年(承久3)に敗れた天皇が流刑(後鳥羽上皇:隠岐の島に配流)となった
※3「金沢弁」: 「〇〇げんて」=「○○んだって」、「ほやほや」=「そうそう」、「だちゃかん」=「いかん」、「おいねおいね」=「うんうんそうそう」など


《2025.05.04撮影・投稿》





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【 業平に 先に詠まれて 杜若 よく似て花の 菖蒲あるやに 】(なりひらに さきによまれて かきつばた よくにてはなの しょうぶあるやに)

平安時代随一の美男子でプレイボーイだったと伝わる貴族・歌人「在原業平=ありわらのなりひら)」にまつわる話は数多く、「伊勢物語」では、彼の名は伏せられ「むかし男あり・・・」と書かれている。

 これは物語であることから誇張された数ではあると思うが、関係があった女性は、なんと、「3733」人とか・・・・・。

 業平が都から東へ下る途中、三河国八橋に美しく咲く杜若をみて都に残してきた妻を偲んで「かきつばた」の五文字を頭として「唐衣(からころも) きつつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅しぞ思う」と詠んだと伝わる。

 金沢が生んだ三大文豪のひとり「泉鏡花」の生誕100年を記念して、昭和48年に「泉鏡花文学賞」(全国対象)が制定されて以降52回を数えます。
 第48回(令和2年)の受賞作品、「小説伊勢物語 業平」(作家:高儀のぶ子氏)の本を手にし、読み始めると面白く、時間の経つのを忘れるほど・・・。

 金沢城の北東にある「白鳥路」には、「杜若=燕子花=かきつばた」が咲いていて、ピンク色のツツジと紫の杜若が並んだ咲いています。

 「杜若と菖蒲」・・いずれがアヤメかカキツバタと、花がよく似てはいますが、「杜若」は、花に白い筋があり、「菖蒲」は、花びらに網目模様があります。
 今回は「短歌風」にて失礼しました。


※1「在原業平」: 文中記載のとおり
※2「三河国八橋」: 現在の愛知県知立市
※3「唐衣」: 「着る」などにかかる「枕詞」
※4「伊勢物語」: 平安時代の歌物語(125段あるとか)
※5「泉鏡花文学賞」: 文中記載のとおり
※6「菖蒲あるやに」: 「菖蒲」あっただろうに(なぜ「杜若」?「菖蒲」の花もあっただろうにの意(プレーボーイだつた「業平」が、ここに来て「妻」を偲ぶ「和歌」になったのか?の意


《2025.05.06撮影・投稿》



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【 城郭と 白を競うて 水木咲く 】(じょうかくと しろをきそうて みずきさく)

  黄金週間の最終日、訪れる人の数は数日前と比べてとても少なくなりました。
  金沢城の北側、四十間長屋跡の崖下からの高木に白い花が咲いて見事な景観、思わず写真撮影「パチリ!!」

 この花は、「ミズキ」ですが、「ミズキ」と言えば「ハナミズキ」の方が馴染み深く、よく同じ仲間と勘違いされます。

 「アメリカヤマボウシ」とも言われる「花水木」とは異なり、「水木」は、枝上に白い小花が密集した状態で咲き、遠方からみると雪を被ったように見えます。

 ちなみに、ハナミズキは、明治45年当時の東京市長:尾崎行雄氏が、桜の苗木をワシントン市に寄贈した返礼として同市から贈られたとのこと。

 1枚目の写真は、「河北門」から「菱櫓(西方向)」を望む位置(右中ほど)から見る「水木」で、2枚目の写真は、ツツジの上(写真の真ん中辺り)に咲く「水木」の様子です。

 まだまだ彩とりどりの「躑躅」も咲いており、城散策中に足を止めたくなるロケーションかと・・。

※1「城郭」: 金沢城の城郭のこと
※2「水木」:「季語:初夏」(「花水木」の季語:春)
※3「白を競うて」: 金沢城の城壁は白色が多く採用されている。「水木」も白色で、まるで白色を競うかの如くの意


《2025.05.06撮影・投稿》


 

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【 兼六の 園が招くか 樟落葉 】(けんろくの そのがまねくか くすおちば)

  特別名勝「兼六園」は、年間250~260万人の入園者数を数えます。(コロナ禍には閉園をやむなくされましたが)石川県人口の約2.5倍の入場者数・・・人気の観光スポットの一つです。

 入出口(料金所)は7か所あって、「桂坂」「真弓坂口」料金所からの入出園者は他に比して圧倒的に多く、特に土日祝日には長い行列・・・。

 「桂坂料金所」から少し離れた「桜ケ岡料金所」は、観光バスの団体客の利用で、時間帯によっては多く感じられますが、これ除けば比較的空いていて、いわゆる「穴場」かと。

 観桜の時期は終わりましたが、園内に植林の8200本の内「特別銘木」が19本、「重要な名木」が55本、「樹齢100年以上の古木」が354本、「その他景観木」が7770本余り・・・・・。

 爽やかの五月の風が吹くこの季節には沢山の木々・草花が園へと誘います。

 ここ「桜ケ岡料金所」の右手には、「クスノキ」が、葉の付け根から円錐花序を直立させて、直径5 mmほどの小さなが多数咲いていました。
 この料金所からのアクセスはお薦めです。

※1「兼六」: 兼六園のこと、詳細情報は先の投稿文参照
※2「樟落葉」: 春、芽吹きの若葉が出る時、古い葉が赤く紅葉して落葉する(季語:初夏)
※3「桂坂・真弓坂口料金所」:「桂坂」は金沢城に最も近く、「真弓坂口」は「21世紀美術館」に最も近い料金所


《2025.05.07撮影・投稿》