〈今日の一枚と一句〉「その11(2024.07.06~07.17)」

【 七夕や 百寿の橋が 祭りかな 】(たなばたや ももじゅのはしが まつりかな)
 現在の犀川大橋は、1924年(大正13年)に完成、今年で100年の節目を迎える祝い「百寿祭(ももじゅさい)」が明日7日に行われます。
 2年前には「浅野川大橋」が同様に100年を祝うイベントが開催されたところです。

 これまで鉄骨の塗り替えが5回行われたほかは、基本的な姿・形に変化はないとのこと。(現在の色は「加賀友禅」をイメージした青のグラデーションとか)

ちなみに、7月は「河川愛護月間」とし、同月7日を「川の日」として国土交通省が定めている。

※1「百寿」: 百歳=100年=ひゃくじゅ=ももじゅ(祝)
※2「祭り」: (交通を規制して)芸妓の舞や「御陣乗太鼓」の演奏などを催す
※3「その他」: 甲子園球場も今年8月1日に100年目を迎える

《2024.07.06撮影・投稿》




 

【 彦星に むくげ白粉と 蜂巣織り 】(ひこぼしに むくげしらこと はちすおり) 
 今日は七夕、市内のあちこちに多彩なイベントが開催される金沢・・・。
 ここ浅野川上流の川岸に「「むくげの花」が満開で、朝から蜂たちも大忙しの様子でした。
 一年に一度のデート・・・織姫が彦星のために精一杯のおめかしをと、いそいそしているような蜂の動きにも見えて思わず「パチリ!」ました。

※1「彦星」: 「天の川」の物語・・知っているようで・・・要検索!!!
※2「むくげ」: 「木槿=むくげ=(別名)ハチス=夏の茶花として欠かせない)
※3「蜂巣織」: 織物の面が蜂の巣のように見える細かい織りかた
※4「白粉」: 「おしろい」「ファンデーション」

《2024.07.07撮影・投稿》


【 風鈴の 音色とまりて 三尺寝 】(ふうりんの ねいろとまりて さんじゃくね)
三十度を超す暑さが続く金沢町家、昼前はそよそよと風が吹いていて、風鈴の音色が涼し気だったのに、昼食後にはその風も収まって、特にすることも思い浮かばないので、ここはしばし昼寝の時間とするか・・・。

 内庭に打ち水しても、あっという間に蒸発・・・。夕立でも来ればと考えてはみたものの・・・。午後から強烈な西陽に襲われる前、うとうとする間は本当に心地よき・・・かな。

※1「三尺寝」: 夏に大工などが仕事場で、少しの間昼寝すること:夏の季語
※2「打ち水」: 庭や道に水を撒いて、涼を得る

《2024.07.07撮影・07.08投稿》



 

【 つめ草に 二つ笑顔や 四葉かな 】(つめくさに ふたつえがおや よつばかな)
時折強い風雨に見舞われた一日、金沢城の新丸広場側から菱櫓方向を望む土塁に、白い花「(白色)つめ草(クローバー)」が(写真のように)辺り一面を覆いつくすように咲いてます。
 ふと目をやると若いカップルの歓喜と笑顔・・・、他に人影が見えない中、たぶん「四葉のクローバー」を見付けたのかな~と(^^;

 四葉の「クローバー」を見付けたら、幸せが訪れるとか・・。
  お似合いの二人にラッキーな出来事が沢山訪れますように~!

※1「つめ草」: 「(シロ)ツメクサ=クローバー=(普通は三枚葉)
※2「草名の語源」: 干してクッション代わりに利用したことから「詰草」と?
※3「二つの笑顔」: 「(若い)カップル」の笑顔、「恋人同士の笑顔」
※4「その他」: この花は「ミツバチ」の蜜源や、「芝生の代草」にも

《2024.07.09撮影・投稿》



 

【 門石が 時を写して 梅雨じめり 】(もんせきが ときをうつして つゆじめり)
金沢城の北側を下った一角に「黒門前緑地」と板看板が掲げられた屋敷跡があります。
 古くは「前田利家」の四女で「豊臣秀吉」の養女、岡山城主「宇喜多秀家」の正室となられた「豪姫」の屋敷があった場所、近代では「高峰譲吉」博士の父「精一」氏の邸宅、「旧検事正官舎」の建築物が残っています。

 梅雨らしい雨の一日、門下に敷かれた大きな石に梅雨空と植樹の影が写っていて、思わず「パチリ!」ました。
 歴代の著名人・・・この時期、何を考えながらこの門を通っていただろうと・・・。

※「梅雨じめり」: 梅雨時期のじめじめした空気感、その様(梅雨時期の季語)

《2024.07.10撮影・投稿》



【 動もすれ 飾りて花や 初夏ならぬ 】(ややもすれ かざりてはなや しょかならぬ)
 カーネーションは母の日に贈られる花のイメージがあって、季節は5月頃をイメージしますが、改めて切り花を飾ってみると、今の季節にとてもよく似合います。別の名「オランダナデシコ=和名」を調べてみると、「季語」は初夏だと判りました。

 じめじめしたこの時期、飾る花の由来や季語、花言葉を調べてみると、今まで思い込みだったり、勘違いしていたことをリセットすると、新たな発見に結び付くこともあって、とても楽しいですね。

※1「動もすれ」: 「ややもすれば」「ひょっとすると」
※2「初夏ならぬ」:「初夏のほかにない=初夏だった」の意

《2024.07.11撮影・投稿》


【 白鷺が 見ゆる景色の 古は 賑わしきかな 今は無きとて】(しらさぎが みゆるけしきの いにしえは にぎわしきかな いまはなきとて)

金沢城南側の「いもり掘り」にいた「白鷺=チュウサギ?コサギ?」が急に飛び立ち、「旧県庁舎=しいのき迎賓館」方向に・・・。やがて上空をひと回りした後に、上階辺りに降り立ちました。
 
 当時は県庁所在地の金沢市の中心地、兼六園や金沢城も近く、大勢の人でにぎわっていた界隈です。
 県庁が移転した跡は、大通り側にその姿の半分を残し、裏側(写真側)は近代的なデザイン風の「迎賓館」になりました。

 そういえば北陸本線、名古屋と金沢を結ぶ特急「しらさぎ」も、北陸新幹線が福井県敦賀駅まで延伸となったことで、金沢駅(石川県)でその姿を見ることはできなくなりました。

 写真の左手前に設置の「街燈」が「しらさぎ」にも見えるような・・・ので「パチリ!」ました。

 なお、この「迎賓館」に掲げられている旗は、「日の丸」「石川県旗」「国連の旗」(国連大学高等研究所が入居していることから)の三本。

※1「白鷺」: 白い羽の「サギ(ダイサギ、チュウサギ、コサギ)の総称」で白鷺と言う名の鳥はいない
※2「古」: いにしえ=過ぎ去った古い時代
※3「今は無きとて」: いまは無くなったが(昔は・・)の意

※ 今回は、「短歌」風にて失礼しました。

《2024.07.12撮影・投稿》



 

【 かなぶんや 今日は屋敷の 門の番 】(かなぶんや きょうはやしきの もんのばん)
金沢市長町にある「前田土佐守家資料館」の裏門、本日から9月29日までの間は、ご当主が書いた文字「筆の跡(ふでのあと)」として展示されるとの案内掲示が掲げられました。

 先日通りかかった時には気が付かなかったのですが、門下に「コガネムシ?カナブン?」が一匹・・・コガネムシより一回り小さいので、たぶん「カナブン」かな~と?

暑さのせいなのか、はたまた連日の「門番役」だったのか・・・定かではありませんが、目が合った?時には少々疲れ気味にみえました。しかし「パチリ!」の瞬間に素早い動きで飛び立たれました(^^;

人間も虫たちも早め早めの水分補給が必要な季節になりましたね・・・。

※1「前田土佐守」: 「前田利家」公の二男(利政)を家租とし、代々筆頭重臣の地位を占めた
※2「カナブン」: 同じ甲虫の仲間ですが、強い金属光があり全体に丸っこいのがコガネムシ

《2024.07.13撮影・投稿》



                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

【 武者窓や 異国言葉が 梅雨出水 】(むしゃまどや いこくことばが つゆでみず)
 明日(7/15)がお盆の金沢市、連休の中日は時に降る雨がとても激しい様子の一日でした。
  ここ長町の「新家邸(あらやてい)長屋門」には「武者窓」を備える禄高の高い中級武士の屋敷跡・・・。

 写真に写るほどに強い雨脚に見舞われました。(大判の傘でも濡れるほど・・・)

 この屋敷跡に数十人の外国人が近づいてきましたが、誰一人と傘をささず、それぞれがレインジャケットを纏って・・・とても元気に聞こえる異国語での会話、満面の笑顔で、楽しそうでした。

※1「武者窓」: 屋敷警護のために外の様子をうかがう目的で配した窓
※2「異国言葉」: 日本語以外のことば
※3「梅雨出水」: 梅雨の頃、溢れ出るほどの水(溢れる言葉を水に例えました)
※4「新家邸」: 藩政期は「桑島氏」が居住、代表的な長屋門
※5「その他」: 実際に出水があった訳ではなく、会話言葉が「出水のごとく」激しかった様

《2024.07.14撮影・投稿》


【 雨上がり 誘い出されて 火取虫 】(あめあがり さそいだされて ひとりむし)
日中に激しく降った雨のせいか、夜の帳(とばり)が下りた頃、涼しい川風が吹いて・・。
 7月7日には「百寿」を迎えた「犀川大橋」の祝イベントが開催されてから、早いもので・・・もう一週間が経ちました。

 一瞬、車も人も全くいない時があり、「パチリ!」を数枚確保すると、夏の虫たちが、どこからともなく灯火の下に大勢集まってきました。
 大粒の雨を避けて、今までどこに潜んでいたのでしょうか・・・ね?。

※1「火取虫」: 「ひとりむし=灯取虫、灯虫(ひむし)」とも、灯火に集まって来る夏の虫のこと
※2「百寿の祝い」: 「2024.07.06投稿」中に記載文参照
※3「季語」: 「火取虫」=夏

《2024.07.14撮影・07.15投稿》

  

【 スッポンや 待って日盛り 甲羅干し 】(すっぽんや まってひざかり こうらぼし)
 梅雨の長雨、日中帯に僅かでも日が射すと、身の回りのものを干したくなるようなじめじめとした季節・・・。
 金沢城五十間長屋の城壁・石垣の対岸陸地に上って甲羅干し?をしている様子の「すっぽん」を見付けたので「パチリ!」ました。

 当初カメかとも思ったのですが、「金沢城に住みついたすっぽん」に関する記事が新聞掲載されたこともあったので・・・たぶん「すっぽん」かと・・?

 ちなみに、「亀の甲羅」はとても硬く、「すっぽんの甲羅」は皮膚のような膜状で柔らかいことから、亀が潜り込むことが出来ない石垣の隙間などにも比較的スムースに入り込むことが出来るとか。

※1「すっぽん」: 名前の由来は「鳴き声?」と飛び込む時の音(すっぽ~ん)
※2「日盛り」: 夏の季語で、太陽が真上となる正午から2~3時間ほど
※3「甲羅干し」: 寄生虫や雑菌退治、紫外線によるビタミンDの補給、体温調節(新陳代謝)

《2024.07.15撮影・07.16投稿》

【注意】《2024.07.17投稿分は、ここをワンクリック!!してください。》
 

【 荒梅雨や 水面に傘の 枝葉かな 】(あらつゆや みなもにかさの えだはかな)
梅雨前線が活発で、全国各地に多くの被害が出ているとが伝えられています。
  金沢の降雨状況も警報級と出ることもあって、今年の梅雨は「荒梅雨」だと。

  ここ「大手堀」に、時折強い雨が降り注ぐ時間帯があり、しばらく眺めていると、水面に激しい雨しぶきが現れるエリアとそうでないエリアがあることに気づいて・・・。

 手前(写真)の水面は、大きな樹木と太い枝葉が覆い被さり、まるで巨大な傘を拡げた様にも見えます。
 奥(写真上部)には樹木の枝葉が少ない場所で、雨が水面を激しく打っている様子が見えます。まだまだ雨模様の続く・・・「梅雨さなか」ですね。

※1「荒梅雨」: 「梅雨の後期」には災害をもたらす大雨になることが多い
※2「水面に傘」: 太い幹の木の枝葉が「傘」のように拡がり、雨脚を和らげ、水面に落ちる雨を優しく変えている様

《2024.07.17撮影・投稿》

7月18日(木)から「その12」に移ります