〈今日の一枚と一句〉「その9(2024.06.04~06.19」(毎日更新中!)
【 誰が手ぞ それぞれ庭の 額の花 】(だれがてぞ それぞれにわの がくのはな)
散歩の途中に綺麗に咲いた「ガクアジサイ」を見付け「パチリ!」ました。
この時期、あちこちに多種多様の草花が観られますが、綺麗に手入れされた庭に咲く姿や、植木鉢の多段器具に飾られた花に、暫し見惚れて・・・。
それぞれのご家庭の誰かが育苗から水やりまでお世話をして見事に咲かせたのであろうと・・・。
※1「誰が手ぞ」: 「お世話をした人」は「誰(どんな人)なんだろう」か・・・。
※2「額の花」: 「紫陽花=アジサイ」に似ているが毬状にはならず、清楚な青紫の花が咲く(原産国は日本)
※3「花言葉」: 「謙虚」「控えめ」「初恋」など
《2024.06.04撮影・投稿》
【 朝顔と よく似た花や 時候(とき)を知り 】(あさがおと よくにたはなや ときをしり)
花の名は「サフィニア」です。「ペチュニア」(ブラジル原産)にも似ていますが、この花を日本の企業が改良して生まれた花とか。
花弁は朝顔のように「ひらひら」していて、鉢に他の花と寄せ植えされた姿の花壇を目にすることがあります。
(5月頃から数か月間次々と咲きますので、朝顔が全盛の頃にも咲いてます。)
「能登半島地震」の影響で卯辰山寺院群のお墓が多数被害にあったと聞きます・・・。もう一月余りで(金沢エリアでは)「お盆」ですが、お墓の修復には相当の時間が必要とも・・・。
市中で見つけた花たちが時候(時)の移り変わりの速さを知らせてくれているようにも思えて「パチリ!」ました。(特に次々と生まれる新芽の緑や大きな花のガッツポーズ??に見える様子に、頑張れ~!と励まされました)
※1「サフィニアの和名」: 「衝羽根朝顔=つくばねあさがお」
※2「花言葉」: 花の色により異なるが、「咲きたての笑顔」(一般公募による)
※3「花色」: 白、紫、ピンク、青、黄色など
《2024.06.4撮影・06.05投稿》
【 芒種今日 水時流る 武家屋敷 】(ぼうしゅけふ みずときながる ぶけやしき)
今日は二十四節気のひとつ「芒種」です。金沢市長町にある観光スポット「武家屋敷跡」の石柱表示「長町」傍の「大野庄用水」は水嵩も多く流れも速く感じました。
いつも午前8時過ぎ頃から、たくさんの外国人観光客の方々がバス駐車場から「野村家」や武家屋敷跡を目指して歩く風景が観られます。
時代や季節が変わっても、水の流れはいつも淡々と・・・時間の流れもそうであるように・・・。
※1「芒種」: 6月6日頃(作物の種まきの頃)
※2「今日」: 「けふ=本日」
※3「長町」: 「伝統環境保存区域及び景観地区」、武家屋敷跡が並ぶ
※4「大野庄用水」: 約四百年前に造られた金沢で最古の用水
※5「野村家」: 武家屋敷跡界隈のお薦めスポット(先述により説明略)
《2024.06.06撮影・投稿》
【佳き日かな 参拝路には 松葉菊 】(よきひかな さんぱいろには まつばぎく)
今日はとても良い一日になるとの予想(新聞やTV占いなど1位で良いことが次々起こる?とのこと)を信じてあちこち出かけました・・・・。
通りすがりの神社に参拝(日ごろのお礼と近況のご報告)しました。
このお社の方向に導びいてくれているように、道端にはたくさんの「松葉菊」が咲いていました・・・。
見た目は「ツンツン」しているような花に見えますが、色が鮮やかなピンク色(ショッキングピンク?)で、調べるうちに、素敵な「花言葉」にも出会えて・・・本当に佳き一日となりました。
※1「泉八幡神社」: 金沢市泉一丁目に鎮座されている神社で、詳しくは「由緒」をご参考ください。
※2「松葉菊」: 「マツバギク」は明治に渡来した花で4月から8月頃まで咲く
※3「花言葉」: 「ゆったりとした気分」「心広い愛情」「勲功」など
《2024.06.07撮影・投稿》
【 青歯朶や 宴始めぞ 麩の刺身 】(あおしだや うたげはじめぞ ふのさしみ)
金沢市内東山にある「お麩料理」・・・評判のお店で宴が始まりました。
暖簾やお部屋に至るまでの道程を飾る品々も素敵でしたが、特にお庭の雰囲気が手入れされていて・・・これも料理をおいしく頂けるために必須のロケーションかと・・・。(お庭には苔やシダ類があり設置の燈籠も素敵です)
心を許す仲間たちと、絶妙のタイミングで運ばれる料理の数々・・・瞬く間に過ぎていった時間でした。 とても美味しく頂きました。
※1「青歯朶」: シダ類が青々としてくる:初夏の季語
※2「麩の刺身」: 一番先に出されるのがこの刺身「写真のとおり」醤油は極力少なめにつけて頂くと、よりおいしいかと思います。
※3「お店」: 明治創業の著名なお店:予約した方が無難かと
《2024.06.07撮影・06.08投稿》
【 足軽の 住まう背戸の木 青葉木菟 】(あしがるの すまうせどのき あおばずく)
日曜日の開館時に「足軽資料館」を訪ねましたが、珍しく観光客の来館がなく「パチリ!」ました。(この数分後には十数人の方が来館されました)
青葉木菟(あおばずく=フクロウの仲間)の姿を発見しましたが、シャッターチャンスに恵まれず、また鳴き声を聞くことが出来ませんでした。もしかすると暗くなってからだと、ひょっとして聴くことが出来るかも・・。
ちなみに、「足軽」は雇われた歩兵で、侍階級の一員とは見なされない藩もありましたが、加賀藩では「侍の最下層」としての位置づけで、一戸建てに住んでいました。
※1「足軽資料館」: 金沢市長町1丁目、入館無料(9:30~17:00)
※2「背戸」: 家の玄関の反対側、加賀藩足軽の住まいは庭付きだった
※3「青葉木菟」: 夏鳥:夏の季語(鳴き声は「ホッ、ホッ」?)
《2024.06.09・撮影・投稿》
【 金糸梅 前田の空や 天守閣 】(きんしばい まえだのそらや てんしゅかく)
今日の金沢はよく晴れた一日でしたが、時折さわやかな風が初夏の香りを運んでくれて、金沢城三の丸に咲く金糸梅も気持ちよさそうに揺れていました。
石川門の南西入口(門内見学入口付近)には他にも沢山の種類の草花を観ることが出来ますが、黄色く咲いたこの花はよく目立ちます。
金沢城の天守は1602年(慶長7年)落雷により焼失した後、現在まで再建はされていませんが、市民、観光客から復元要請の声が多いとか・・。
そんな願いに応えてくれたのか、城の北側の空をみると雲の形がまるで「天守閣」の様にも見えて「パチリ!」ました。
※1「金糸梅」: 江戸時代から観賞用花として栽培されてきた(季語:初夏、夏)、なお、前田家の家紋は「梅鉢」
※2「前田の」: 加賀百万石の藩は、「前田」利家公から始まる
※3「天守閣」: 築城後十数年間存在したが、係る文献、資料が不足しており、復元されることはないと考えられているところ
※4「その他」: 木立の間には能登方面に続く山の稜線が観えます。
《2024.06.10撮影・投稿》
【 音もなく 眺むる雲居 散り松葉 】(おともなく ながむるくもい ちりまつば)
金沢城五十間長屋角辺りから新丸広場をぼんやりと眺めていたら、上空には風があるのか、次々と新しい雲が生まれ、移動しながら形が変わっていく様子・・・。
梅雨前の青空と雲が織りなす大パノラマにしばし見入っていると、松の葉が音もなく肩先をかすめて落ちていきました・・・・。
目まぐるしい時間を過ごす現代人・・・時には物思いにふけることも人間には必要な「隙間時間」なのかもしれませんね(^^;
※1「眺むる」: (物思いにふけりながら)「ぼんやりと見やる」の意
※2「雲居」: 大空、天井、雲のある所
※3「散り落葉」: 「落ち松葉」は夏の季語で同意だが、「敷松葉」は冬の季語
※4「参考」: 松葉は2本という思い込みがありますが、まれに3本松葉を発見することがあります。(四葉のクローバー的)財布に入れると金運を呼び込むとか??
《2024.06.10撮影・06.11投稿》
【 夏袴 着けたる武士の ほのが見ゆ 】(なつばかま つけたるぶしの ほのがみゆ)
よく晴れた金沢城、五十間長屋と橋爪門続櫓、菱櫓の勇壮な姿が、陽光の加減も手伝って、とても綺麗だったので「パチリ!」ました。
昔の侍たちもこの時期、そろそろ衣替えをしたのだろうかと・・・ふとそう思った午後の鶴の丸休憩館からの眺め・・・武士の日常の一幕がぼんやりと霞んで見えたような・・・。
※1「夏袴」: 薄手の夏用の袴
※2「ほのが見ゆ」: 幻影のような」「ぼんやり霞む」「おぼろげ」に見える様
※3「五十間長屋」: 多門櫓(五十間=1.8m×50)
《2024.06.10撮影・06.12投稿》
【 にじり口 菖蒲茶の花 時雨亭 光風庭に 遠つ人あり 】(にじりぐち しょうぶちゃのはな しぐれてい こうふうにわに とおつひとあり)
兼六園内にある「時雨亭」でお抹茶と上生菓子、とても美味しく頂きました。
今日は、全国各地から来沢のお客様を兼六園と金沢城を中心にご案内しましたが、真夏日に近い気温となった園内、お茶タイムは、しばしのオアシスタイムでした。
銘々皿は「久谷焼 上出長右ェ門」? 「(名のある)久谷焼の茶碗」「茶の花」(今朝摘みの「菖蒲の蕾花」)・・・一瞬にして「侘びと寂」の世界に・・・。
※1「にじり口」: 小間の茶室の出入り口、2尺2寸(約67cm)程度
※2「茶の花」: 「生け花」とは表現せず、茶席に飾る(用いる)花のこと
※3「時雨亭」: 江戸時代の「御亭」を再現、兼六園内で和菓子とお抹茶が頂ける
※4「光風」: 晴れの日に吹きわたる爽やかな風
※5「遠つ人」: (とおつひと)遠方に住んでいる(遠方から来た)人
(本日は「短歌風」にて失礼しました)
《2024.06.13撮影・投稿》
【 絵日傘を たたみ拝謝や 朱塗り門 】(えびがさを たたみはいしゃや しゅぬりもん)
金沢市丸の内に鎮座の「尾崎神社」御前を、絵柄模様の日傘をたたむ若い女性、レンタルの浴衣とは違う着付け姿で通りかかった際、朱塗りの門前で頭を下げ、しばらくするとまた傘を広げて立ち去りました。
入梅前にも関わらず真夏日~猛暑日が続くここ数日の暑さ・・・とても爽やかな場面に出会えて・・・神に感謝です。
※1「絵日傘」: 涼しげな絵が描かれた日傘
※2「拝謝」: 感謝の心をもった会釈(頭を下げる仕草)
※3「朱塗り門」: 朱色の門(ここでは尾崎神社を示す)
※4「たたみ」: 日傘を閉じる(又はしぼませる)
※5「尾崎神社」: 寛永20年(1643年)前田光高公が徳川家康公(曽祖父)をお祀りするため城内に建立された後、明治11年(1878年)に現在地に移設された。日光東照宮の縮小版とも言われ、一部は国の重要文化財に指定されている。
《2024.06.14撮影・投稿》
【 腰かけて 花魁草が 癒しかな 】(こしかけて おいらんそうが いやしかな)
暑い一日・・・喉も渇き、疲れも出たので西茶屋街に設置の腰掛で一休みすることにしました。
ふと見ると、この建屋は小さな公園の片隅にあって、強烈な日差しを遮ってくれ、周りには季節の草花が咲いて・・・疲れを癒してくれました。
以前、日本のシンガーソングライター「森高千里」さんが2019年の2月にこの場所に座っている写真と記事が投稿されていました(^^)
(この場所で写真を撮るカップルを時々見かけます。)
※1「花魁草」: 「おいらんそう」赤やピンクの小花が簪状(かんざし状)に咲く
※2「森高千里」: 「私がオバさんになっても」など沢山のヒット曲があります
《2024.06.15撮影・投稿》
【 城ありて 海鼠の壁と 擬宝珠かな 】(しろありて なまこのかべと ぎぼしかな)
金沢城の城壁は「海鼠壁=なまこかべ)と表現される瓦の目地に漆喰をかまぼこ型に盛り付けて塗られた様子・配列に特徴があり、初めて入城する観光客の中には白色が映えて、コンクリートだと勘違いされる方も多い・・・。
海鼠の配列型が漢字の「品」と言う字に似ていることから、「品品壁=しなじなかべ」と表現される方も時折見かけるところ。
その傍に「擬宝珠(ぎほし又はぎぼうし」が咲いていて、「海鼠壁」に見劣りすることなく白色がとても綺麗・・・今が見頃です。
※1「海鼠の壁」: 「海鼠壁」他の地方にも存在するが、ここの城は「品」の形に特徴あり
※2「擬宝珠」: 「欄干などの上端に付ける宝珠型の装飾」に似ていることから命名された花??
※3「花言葉」: 「静かな人」「沈黙」など
※4「季語」: 「初夏(6月~7月)」
《2024.06.15撮影・06.16投稿》
【 碑の陰に 豆粒大の 蝸牛 】(ひのかげに まめつぶだいの かたつむり)
浄明寺(金沢市材木町)は金沢の三文豪のひとり「徳田秋聲」の菩提寺です。
「徳田秋聲墓碑」(写真)の文字は、「井上靖」氏の書(筆)と刻まれています。
その碑の裏側に小さな小さなカタツムリ(よちよち歩き?)を発見、種の保存・・・金沢が生んだ文豪・文学の種も、この先途切れることがないように、脈々と繋ぎ続いてほしいものだと・・・。
※1「秋声の墓」: 都立小平霊園にありますが、浄明寺敷地内に同碑に分骨されている。
※2「蝸牛」:「カタツムリ」は陸に生息する巻貝の総称
※3「金沢の三文豪」: 泉鏡花、徳田秋聲、室生犀星
《2024.06.16撮影・06.17投稿》
【 青芝に 城石垣や 境界標 】(あおしばに しろいしがきや さかいひょう)
雨が上がり、陽射しが眩しく感じられるほどになった金沢城の周辺、訪れる観光客の大半は海外からの人達でした。
能登半島地震の影響を受けた石垣の崩落状態が見える「いもり坂」へのアクセス路に「文部省」と刻まれた石杭を発見しました。
さてさて・・・これは何かな?と・・・答えはすぐに見つかりました。
この「文部省」と刻まれた反対側には「金沢大学」と刻され、上部にはL字の刻印(境界の方向を示す)があったので、「境界杭」だと・・・。
それにしても歴史を感じさせられる石杭の風化具合に少し驚いて「パチリ!」ました。(金沢大学は、昭和24年=1949年に金沢城内をキャンパスとして開校していますから・・杭を設置して75年・・・人間も後期高齢者ともなれば・・・あちこち傷むはずですね(^^;
※1「青芝」: 夏の季語
※2「城石垣」: 金沢城は「石垣の博物館」と称される(各年代の石垣が観られる)
※3「境界標」: 境界線を示す標柱など
《2024.06.18撮影・投稿》
【 参詣の 産土神や 烏瓜 】(さんもうの うぶすながみや からすうり)
金沢市の観光スポット「ひがし茶屋街」に隣接する町名が、令和元年5月1日に変更されました。(旧町名の復活)
町名(観音町)の由来は、観音院(真言宗)で、加賀藩主前田家の「産土神=うぶすながみ」として安産祈願の由緒ある寺院です。
なお、参道に町名の由来などを書き記した石柱が建てられています。その傍らにアートともいえる手入れの行き届いた数種の植物が植えられてお参りの人々や観光客の目を楽しませてくれている中、「烏瓜=からすうり」がそろそろ開花してくれる季節になりました。
数年前から「電柱の地下化工事」が一部完成し、今では珍しい木製の電柱がなくなり、街燈も新しいスタイルに変更(写真)されました。
復活の町名表示も付いた街燈柱は、6月の青空によく映えて・・・。
※1「参詣」: 寺院にお参りすること
※2「産土神」: 安産祈願と、その土地に生まれた子供の一生をお守りする神様
※3「烏瓜」: 縁起が良い?「大黒様?打ち出の小づち?」似で金運が上る?
〈雑学:烏瓜はカラスが食べる瓜・・・ではなく、つるの生育が旺盛で他の植物に絡んで伸びることから、他の樹木を「枯らす瓜」とも呼ばれる。花は今頃の季節に開花するが、日が暮れると開き、一夜限りで萎れてしまう青ざめたような白い妖艶花だと物の本には記されている〉
《2024.06.18撮影・06.19投稿》
6月20日(木)から「その10」に移ります